登録/更新年月日:2017(平成29)年1月7日 |
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学習成果の活用を支援する取り組みの事例を挙げる。 1.学習成果活用支援プログラムの開発と試行の例 富山県では県民生涯学習カレッジを窓口として、学習成果活用支援プログラムを開発し、学習者を対象とした試行を行っている(表1)。 実践にあたっては、同カレッジなどの相談員が支援プログラムのステップに沿ってメンタリングを行った。学習者の学習歴や活動歴をeポートフォリオに整理し、それらで得た知識やコンピテンシーを生かす目標づくりに取り組み、実践プランとしてまとめるものである。実践プランをもとに、地域の関係機関で構成する認定会で一定の評価を得たものを地域人材として認定し、活動の対象となる公民館や学校等に広く紹介している。認定者は、県民カレッジ人材データベースに登録するとともに、パンフレットとインターネットを通じて、公民館など地域の活動の場に向けて広く案内している。また、認定された実践プランは、eパスポートとしてショーケースの役割をもたせている。 2.企業の専門家を評価し、社会的な人材として認定している例 プロフェッショナルな学習の多くが、教室内よりも仕事場で行われることに着目し、その学習成果を学術的な学習成果として認定する取り組みが北米、EU各国で実践されている。APL(Accreditation Prior Learning)といわれるもので、職場での経験を通して獲得された学習成果を評価し、大学における学習成果と同等レベルであると認められる成果を単位認定する仕組みである。暗黙的な実践知をアカデミックな文脈で知識やスキルなどの学習成果に翻訳し、詳細な評価基準が開発されている。地域や社会のさまざまな場面で獲得された学習成果を価値づけ、単位として累積および互換可能な形にすることで、人材として顕在化されにくい企業の専門家を、社会的な人材として評価するものとなっている。 3.学習成果のショーケースを公開し、地域人材戦略を進めている例 フランスのロレーヌ地方圏では、地域の高校生、大学生、研究者、企業等の人材について、それぞれの学習成果をショーケースとして公開している。地域人材の見える化により、地域内での人材育成と活用の活性化が図られるとともに、地域外からの企業誘致やベンチャー創業を促すねらいをもたせている。 ショーケースの登録では、大学が開発したeポートフォリオの活用と、そのエビデンスを使った学習成果、実践成果の評価が用いられ、学習成果の活用機会創出に結びついている。 br> 添付資料:表1 学習成果活用支援プログラムの例 |
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参考文献 ・文部科学省、「地域の中核的な生涯学習機関におけるeポートフォルオ・eパスポート活用の実証的研究報告書」、地域eパスポート研究協議会、2014 ・イギリス・ミドルセックス大学Accreditation of Prior Learning(APL)、http://www.mdx.ac.uk/ 、2016.12 ・フランス・ロレーヌ地域圏Regional Portfolio ‘Lorfolio’ 、http://www.lorfolio.fr、2016.12 |
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