登録/更新年月日:2008(平成20)年9月4日 |
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ところで、こうした動向は、いわゆる学校教育の世界において、画一的で均質的な、厳しい中央集権型の学校ではなく、多様な地域の特色を活かした「特色ある学校づくり」や「開かれた学校づくり」を目指す「教育の地方分権」、あるいはそこにおける「規制緩和」や「市場原理導入」が強調されてきたことと、軌を一にするものと思われる。しかし、同時にそこには、教育を行っているのは学校(教師)だけではなく、それ故に、家庭や地域との連携・協力が必要不可欠であるという自覚があると言える。これは、言うなれば、新たな「教育・学習のシステム開発のすすめ」であり、学校(教育)に、家庭(教育)や地域(教育)がどう関わるか、逆にまた、学校(教育)が、家庭(教育)や地域(教育)にどう関わるかという命題を、我々に提示するものでもある。つまり、学校での子どもの教育にとって、大人(親)や地域社会の関わりが、改めて重要だということである。 こうしてみると、ここでは、人生の早い段階で自己完結する、これまでの子どものためだけの、しかも過度の学校教育中心の教育体系そのものが、行き詰まりと限界を指し示しているという状況認識が改めて重要となる。しかも、ここにはある意味、「教え育てること」の危機とその再生に向けての取り組みの必要性も内在している。すなわち、現在の教育問題の本質的部分が、「大人(親)たちがまともに子どもたちを育てていない、あるいは育てきれていない」というところにあるのではないかということ、そしてまた、もしそうであるのならば、それに起因した、子どもたちの成長・発達に関わる過大な責任を負わされた学校が、たとえそのことを強く自覚し、自らの課題としてどんなに誠実にそれに対処しようとしても、そこには自ずと限界があり、しかもそのこと自体が、逆にマイナスの効果をもたらさざるを得ないということでもある。 br> |
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参考文献 |
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