生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2008(平成20)年9月4日
 
 

コミュニティ・スクール (こみゅにてぃ・すくーる)

community school
キーワード : 地域社会学校、地域に開かれた学校、地域に信頼される学校、地域教育経営、スクール・コミュニティ(学びの共同体)
井上講四(いのうえこうし)
3.生涯教育としての位置づけ
  
 
 
 
   歴史的な動きを見てみると、このコミュニティ・スクールの動きと1970年代以降の生涯教育(学習)論の台頭・導入の流れとは、一見、直接的な関係はなさそうであるが、結果的には、両者は緊密に関係していることが分かる。一つには、地域と学校が相互のために連携・協力するということは、地域における学習機会・資源の「ヨコの統合」ということを目指していることになる。そして、もう一つは、これも結果的に明らかとなることであるが、この「ヨコの統合」(→方法論)と、それが実現する「タテの統合」(→目的論)の事実上の舞台が、他ならぬその「地域」となるということである。
 いずれにしても、我が国における第二次大戦後のコミュニティ・スクールの実践は、地域教育計画という名で総称されながらも、その基本的内容は、学校教育のカリキュラム編成の域を出るものではなかったとされる。1980年代後期の、いわゆる臨時教育審議会が提唱した「生涯学習体系への移行」という教育改革の大きな方向転換を実現するためには、オルセンがいうように、「地域社会を学校の中へ引き込むこと」と、「学校を地域社会の中に引き出すこと」の両方を、同時に実践する学校経営の問題として捉えられることが、今後の課題なのである。そこでは、学校と地域社会の良好な関係づくりが求められるのであり、その意味では、今後「地域教育経営」という用語や考え方が、より有効になってくるであろう。そこに実現されるのが、まさに「スクール・コミュニティ(学びの共同体)」なのである。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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