生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2007(平成19)年4月19日
 
 

経済と生涯学習 (けいざいとしょうがいがくしゅう)

economy and lifelong learning
キーワード : 世界消費者市民、経済学、経済格差、社会的格差、教育税
関貞雄(せきさだお)
2.経済教育・学習
 
 
 
 
  【定義】
 経済学の基本概念を理解し、合理的な意思決定を主体的に行う個人を育成するとともに、実際の経済社会に対する深い理解を促し、社会(世界)の進歩・発展の主体となるため、社会における政策的課題について検討し、解決する能力を身につける教育・学習のこと。
【説明】
1)経済教育・学習の必要
 現代の社会(世界)は、多様な社会体制や経済構造となり、その中で進歩・発展するとともに、大きく経済的・社会的な変動をする社会である。このような社会にあっては、経済・財政的負担の節約とその効率や労働の質を高めるための教育・学習に加えて、ユネスコ教育開発国際委員会も指摘しているように、現代の社会(世界)の一人ひとりが自覚ある消費者になり、社会(世界)の進歩・発展の主体となるための学習が生涯学習として求められるのである。その学習内容のうち必須のものは、政治に関するものや国際関係のものと並んで次のような経済に関するものである。
2)学習内容について
 まず、政府(自治体を含む)・企業・家計および外国という経済主体間の経済(取引)関係とそこでの経済法則や相互作用についての基礎知識が必要である。
 つぎに、人々は、経済生活のなかに内在する価格・物価をめぐる商品やサービスの需要関係などの問題とそこで作用する独占的大企業の資本力などの内的な力や、資源エネルギー問題にみられるような外国政府や外国の大企業、とくに多国籍企業などの外的な力を理解しなければならない。
 さらに、人々は、経済的格差(例えば貧しい階層と富める階層、発展途上国と先進国などの格差)が社会的産物(所得)の分配と消費、生産性、投資の選択および計画の過程に影響を及ぼすため、経済政策はどのような方法がよいかがあきらかでなければならない。そのため、万人は、経済学を生涯学習の重要な内容として学ぶ必要がある。
 
 
 
  参考文献
・ユネスコ教育開発国際委員会『未来の学習』(learning to be)第一法規出版、1975年
・内閣府経済社会総合研究所編『経済教育に関する研究会 中間報告』2005年
・関貞雄・一杉哲也・箕輪京四郎『図解式 新経済入門―真の豊かさを理解するために』評論社、1989年
 
 
 
 
 



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