生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年12月15日
 
 

社会教育施設とボランティア (しゃかいきょういくしせつとぼらんてぃあ)

social education facilities and volunteer
キーワード : 社会教育施設、先駆性、公共性、ボランティア学習、学習ボランティア
西川万文(にしかわかずふみ)
2.社会教育におけるボランティア活動の意義
 
 
 
 
   「ボランティア活動」は、一般に自発性・無償制・公共性(公益性)の3つの原則に基づいた活動であるとされ、これまで社会への多様な貢献を行い、多くの人々を支えてきたが、近年、この3原則に加えて、「先駆性」あるいは「先見性」が第4の原理として加えられるようになった。
 では、このようなボランティ活動と社会教育はどのような関連性を持つのであろうか。平成4(1992)年の生涯学習審議会答申「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策」では、生涯学習とボランティア活動の関連を3つの視点から捉えている。
 第1は、ボランティア活動そのものが自己実現や自己開発につながる生涯学習となるという視点。第2はボランティア活動を行うために必要な知識・技術を修得するためには生涯学習が必要であり、一方、生涯学習の成果の活用・深化の場としてボランティア活動があるという視点である。第3は人々の生涯学習は、これを支援するボランティア活動によって、一層、振興が図られるという視点である。
 第2の視点、特に前段の指摘は、今日、「ボランティア学習」として、その意義が確認されている。答申では、「知識・技術」が強調されているが、これとともに「意義・方法・態度」等もボランティア活動の拡充・普遍化を目指す「ボランティア学習」においては欠くことのできない学習内容であることに留意したい。第3の視点については、一般にこれを「(生涯)学習ボランティア」と呼び、従来から学習関連施設で多く取り組まれてきた。
 生涯学習とボランティア活動はこのような枠組みで関連性を把握できるが、生涯学習の中核としての社会教育においても、この関連は同様であると考えられる。
 
 
 
  参考文献
・日本生涯教育学会・編『生涯学習事典』東京書籍 1990年
・伊藤俊夫・編『生涯学習・社会教育実践用語解説』全社会連 2004年
 
 
 
 
 



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