生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2009(平成21)年2月13日
 
 

食育基本法 (しょくいくきほんほう)

キーワード : 食育推進基本計画、早寝早起き朝ごはん国民運動
山本裕一(やまもとゆういち)
2.食育推進のための基本的施策
 
 
 
 
   食育基本法は、国及び地方公共団体が行う基本的施策を挙げている。
 まず第一は、家庭における食育の推進である。親子料理教室など望ましい習慣を学びながら食を楽しむ機会の提供などにより、保護者や子どもの食に対する関心と理解を深め、健全な食習慣の確立を図る。
 第二は、学校、保育所等における食育の推進である。学校、保育所などにおける食育を推進するための指針の作成など子どもの健全な食生活の実現と健全な心身の成長を図る。
 第三は、地域における食生活の改善のための取組みの推進である。食育の専門的知識を有する者の養成や資質向上など、地域において栄養、食習慣、食料の消費に関する食生活の改善を推進し、生活習慣病を予防する。
 第四は、食育推進運動の展開である。国民、教育関係者、農林漁業者、食品関連事業者などによる民間団体の自発的な食育活動の全国展開を図る。
 第五は、生産者と消費者との交流の促進、環境との調和のとれた農林漁業の活性化等である。消費者の体験活動の促進や地産地消など都市と農山漁村との共生・対流を進め、生産者と消費者との信頼関係を構築するとともに、食品廃棄物の発生の抑制や再生利用など環境と調和の取れた農山漁村の活性化を図る。
 第六は、食文化の継承のための活動への支援等である。伝統的な行事や作法と結びついた食文化、地域の特色ある食文化等、伝統ある優れた食文化の継承を図る。
 第七は、食品の安全性、栄養その他の食生活に関する調査、研究、情報の提供及び国際交流の推進である。国民の適切な食生活の選択に資するよう、調査研究や情報提供を進めるとともに、食育に関する研究者等の交際交流や海外との情報交換を行う。
 食育基本法の成立を受け、食育の計画的な推進を図るために策定された食育推進基本計画は、平成18(2006)年度からの5年間を計画期間として、9項目にわたって目標値を定めている。たとえば、食育に関心を持っている国民の割合は、基本計画策定時が70%で5年後が90%以上の目標であるのに対し、平成20(2008)年9月現在で75%以上となっている。
 また、平成20(2008)年度の全国学力・学習状況調査によると、朝食を毎日食べる児童生徒の割合が小学生で87.1%、中学生で81.2%となっている。これは、7年前の別の調査に比べ約10ポイント増加している。今後、食育施策の更なる推進により、朝食をとる子どもたちが増えていくことが期待される。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
 



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