生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2013(平成25)年8月29日
 
 

生涯学習支援ネットワーク診断のためのガイドライン試案 (しょうがいがくしゅうしえんねっとわーくしんだんのためのがいどらいんしあん)

キーワード : ネットワーク診断、社会ネットワーク、診断項目、資源の到達可能性、連携・協力
浅井経子(あさいきょうこ)
1.生涯学習支援ネットワーク診断のためのガイドライン作成の考え方
  
 
 
 
  (1)ガイドライン作成の目的
 教育基本法第3条「生涯学習の理念」により、生涯学習社会の実現が我が国における教育・学習の基本的理念として示された。生涯学習社会の実現を図るためには様々な機関、施設、団体、個人等が連携協力した生涯学習支援ネットワークを構築する必要がある。
 ネットワークは自律的に生成・発展するものなので、自然の成り行きに任せておけばよいという考えもあろう。しかし、自律的なゆえに制御が難しく、放置しておけばどの方向に発展するか予測がつかないところがある。そのため、生涯学習支援ネットワークにあっては、目的にかなった活動が展開されているか等をチェックする必要がある。また市町村の生涯学習推進を考えても、連携・協力が効果的、効率的に行われているか、障害となっているものは何か等の診断をすることは大事なように思われる。
 生涯学習支援ネットワーク診断を定期的に行うためには、だれもが容易に診断できるようにすることが望まれる。そこで、ここでは生涯学習支援ネットワーク診断の観点や留意事項を示したガイドライン試案を提出する。
(2)今回取り上げる生涯学習支援ネットワーク
 生涯学習支援ネットワークとは、機関・施設・団体、個人が生涯学習支援のために連携・協力して、人材・設備備品・資料・情報・事業等の資源を交換し合ったり、それらの資源を使って活動したりする構造体のことで、社会的ネットワークの一つである。
 それには多種多様なものがあり、例えば生涯学習支援を行う機関・施設・団体等が互いに協力し合ったり情報を提供し合ったりすることを通して自然発生的に生まれたネットワークが考えられる。そのようなネットワークは分散型で、自律的、自己組織的に発展する。それに対して、ある機関等が生涯学習に関わる相互扶助や支援の目的を掲げ、そのもとにさまざまな組織や個人が集まってくるネットワークが考えられる。活動目的を掲げた機関等がハブとなる集中型のネットワークで、ハブとなる機関等は事務局やコーディネーターの役割を果たす。そのような場合でも、メンバー間の関係が階層になっているもの、メンバー間の関係が対等で自由に結びついたり離れたりするもの等がある。ネットワークの種類によってもネットワークの維持・発展の仕方は異なると考えられるため、ネットワーク診断の項目や方法もそれぞれに応じて検討する必要がある。
 ここでは、まずは学校支援地域本部や学社連携・融合のネットワークのように、ある目的等をもって形成された生涯学習支援ネットワークを取り上げて、その診断のためのガイドライン試案を提出することにしよう。したがって、今回取り上げる生涯学習支援ネットワークは、ある目的を掲げた機関等のもとに集まり、その目的を達成するためにメンバーが資源を提供して共同活動等を行うネットワーク(図1)である。
 添付資料:図1.今回取り上げる生涯学習支援ネットワーク
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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