生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年11月14日
 
 

京都市の高齢者育児支援活動 (きょうとしのこうれいしゃいくじしえんかつどう)

support for parenting by elderly people in Kyoto city
キーワード : 高齢者、子育て支援、社会参加、高齢期のQOL、コミュニティ
内山淳子(うちやまじゅんこ)
1.高齢者の社会参加としての育児支援活動
  
 
 
 
  【京都市の高齢者施策】
 京都市における65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)は、平成17(2005)年7月現在で20.1%である。これは国内平均とほぼ同じで、5人に1人が高齢者となる。さらに本市の総世帯数は、核家族化等により年1%程度増加しており、平成16(2005)年12月現在の「ひとり暮らし」の高齢者は高齢者全体の15.1%、「夫婦のみ」の世帯(ともに65歳以上)は38.1%である。
 京都市保健福祉局では、平成15 (2003)年に「京都市民長寿健やかプラン」を策定し、社会的支援による高齢者の自立と社会参加を促進するような整備を目標としている。平成18(2006)年現在、第3期プランが進行中であり、新たに「高齢者の尊厳の保持」および「地域(での自立)生活支援」を政策目標とした。この施策の一環として社団法人シルバー人材センターによる高齢者の短期間就業がある。
【シルバー人材センターによる子育て支援活動】
 京都市シルバー人材センター北部支部では、国と京都市からの助成を受け、平成14 (2002)年5月に認可外保育施設「ばぁばサービスピノキオ」を開設した。センター事務所に併設する保育室において、60代から80代の女性会員52名(うち保育士有資格者8名、平成18 (2006)年4月現在)が、生後6ヶ月から小学生までの子ども10名を定員とする「一時預かり保育」、子どもの「送迎」、「在宅保育」を行っている。
 当センターでは従来から「子守り(在宅保育)」の依頼があったが、プライバシーを重視する若い母親のニーズに合わず需要が伸び悩んでいた。そこで新しい形の地域子育て支援として「一時預かり保育所」の設立が提案された。保育会員は市広報等で募集し、希望者は5日間の保育専門家による子育て講習会を受講後、2回の実習を経て活動に参加する。保育時間は午前6時から午後10時まで、年末年始以外は無休で活動しており、利用者は増加している(平成17(2005)年度の延べ一時預かり利用子ども人数は4104名)。
 会員が保育依頼の電話受付業務を行い、学習会も兼ねた連絡会議を毎月1回実施して全員のコミュニケーションを図っている。活動4年目となる平成18(2006)年度には、実働会員に対して子どもの事故防止ためのリスク管理講習等の再講習を実施し、保育技量向上を行っている。
 
 
 
  参考文献
・『第3期京都市民長寿すこやかプラン』、京都市保健福祉局社会部長寿福祉課・介護保険課・健康増進課、平成18年3月 
・『高齢者の生活と健康に関する調査・高齢期の生活と健康に関する意識調査報告書』、京都市保健福祉局長寿福祉課、平成17年8月
 
 
 
 
  



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