生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年11月14日
 
 

京都市の高齢者育児支援活動 (きょうとしのこうれいしゃいくじしえんかつどう)

support for parenting by elderly people in Kyoto city
キーワード : 高齢者、子育て支援、社会参加、高齢期のQOL、コミュニティ
内山淳子(うちやまじゅんこ)
2.育児支援活動によるコミュニティのひろがり
  
 
 
 
  【高齢者による育児支援活動の特色】
 高齢社会において、高齢者の社会的活用は重要課題となる。高齢者による子育て支援活動の特色は、経験豊富な高齢者による地域の親子への支援という側面と、高齢者の健康増進および精神的充実という福祉面とにわたる。
 育児支援面に関して、「一時預かり保育」施設は保育に携わる高齢者と保護者や子どもたちとの異世代のコミュニケーションが図られる場となっている。育児中の母親の不安や孤立感を解消し、子育て後に職場復帰する際の手助けとしての役割もある。今後、次世代育成の支援者として地域高齢者の活用が期待される。
 福祉面に関しては、育児支援活動を通した社会参加が、高齢期のQOLの向上に繋がっている。参加会員は、保育活動にむけた学習を経験し、子どもと触れ合い母親らと交流する社会参加活動を通して、社会に貢献する生きがい感や自尊心を見出している。高齢期を迎えてなお多くの仲間にめぐり合える機会でもある。
【京都市の地域子育て支援施策の展開】
 これまで京都市では地域が積極的に子どもの教育に関わる気風があった。明治2(1869)年には「地域の子どもは地域で育てる」という信念の下、町衆の寄付によって日本初の学区制小学校である番組小学校64校が開校した。
 昭和25(1950)年に発足した「昼間里親制度」は、認可保育施設に準ずるような形で、子育ての経験が豊富な昼間里親が保育を行う市の委託事業であり、家庭的な雰囲気の中で複数の保育者が少人数の乳幼児保育を行う制度である。平成18(2006)年10月現在35名の昼間里親が活動をしている。
 平成15(2003)年の次世代育成支援法の制定を受けて平成17(2005)年に「新『京(みやこ)子育ていきいきプラン』」を策定し、様々な地域子育て支援活動を計画、実施している。子どもの一時預かり支援としては、シルバー人材センターの他に「ファミリーサポート」制度の整備が進んでおり、市の委託機関が保育を依頼する「依頼会員」と保育する側の「提供会員」のコーディネートをして子育て相互援助が行われている。
 平成15年(2003)年度からは、地域子育てネットワークを支援する「子育てサポーター」を公募して養成している。平成17(2005)年度は107名の子育てサポーターが委嘱を受け、平成16(2004)年より教育委員会を母体として学校休業日に実施している子育て交流事業「みやこ子ども土曜塾」や、学校の余裕教室等を利用して行われる「子育て語り合いサロン」等を企画・実施して活躍している。
 これらの活動の子育て支援者は高齢者に限定されていないが、参加利用者数は増加しており、子育て支援活動を中心としたコミュニティが形成されつつある。現在、保護者が気軽に利用できる子育て支援体制整備にむけて、行政、子育て支援を行う民間団体およびNPO、さらに高齢者を含む地域社会の子育て支援者間の緊密なネットワークの構築が推進中である。
 
 
 
  参考文献
・『新「京(みやこ)・子育ていきいきプラン」』、京都市保健福祉局子育て支援部児童家庭課、平成17年2月
・『京都・学校物語』、京都市教育委員会・京都市学校歴史博物館編、京都通信社、平成18年
 
 
 
 
  



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