登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
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女性のエンパワーメントにおける日本の現状は、国連開発計画が発表する「人間開発報告書(HDR)」(国連開発計画、2005)をみると明らかである。ここでは、3つの指標―HDI(人間開発指数)、GDI(ジェンダー開発指数)、およびGEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)―による国際比較がなされている。HDIは、基本的な人間の能力の達成度に関するもので、識字率や就学率といった教育水準などの複合的指数である。GDIは、そのHDIの男女間の格差を示すものであり、GEMは、政治・経済・社会生活に関わる意思・政策決定への女性の参画度合いである。これらの指標から日本の特徴をみると、GEMが測定可能な80か国中43位であり、HDI(測定可能な177か国中11位)やGDI(測定可能な140か国中14位)が比較的高い、すなわち教育水準が高く男女差もあまりない国としては、公的領域での決定権におけるジェンダー不平等が非常に顕著であることがわかる。 さらに、GEMの構成要素の中でも、特に議員に占める女性の割合や行政職・管理職に占める女性の割合が低いことが大きな特徴である。このように、せっかく開発された能力が、社会的に活かされることなく社会参画に結びついていない現状から、女性のエンパワーメントにおける日本の最大の課題は、政治経済といった社会の意思決定過程への女性の参画を促進することであるといえる。その重要性は、1999年6月に公布・施行された「男女共同参画社会基本法」に基づいて2000年12月に閣議決定された「男女共同参画基本計画」の最初に、「政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」が掲げられていることからも明らかである。 br> |
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参考文献 |
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