登録/更新年月日:2009(平成21)年9月12日 |
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【字義】学問にあっては、対象と方法がはっきりしていなければならないが、これは、そのうちの方法に焦点を合わせ、生涯学習研究の方法がどうなっているかを示すもの。 【説明】 研究方法については、学問領域間の交流も盛んであり、最近は研究に必要な方法はいかなるものでも使ってよいし、また創出してもよいとする研究方法の自由が認められてきている。生涯学習研究の場合、研究方法論としては次のように4レベルに分けることが出来る。 1. 研究類型のレベル 研究における問題設定は、研究者の自覚の有無にかかわらず、研究類型でいえば、基礎研究−応用研究の軸で捉えることが出来る。そして、基礎研究であれ応用研究であれ、その研究は、原因−結果の究明をするのか、それとも目的−手段の究明かということになるので、類型的には、1原因・結果を究明する基礎研究、2目的・手段を究明する基礎研究、3原因・結果を究明する応用研究、4目的・手段を究明する応用研究、の4タイプに分けることが出来る。(添付資料を参照) 勿論、実際の研究では、これらのいくつかにわたることも多い。 2. 研究対象のレベル 研究の対象は、研究方法論的には、それは「実体」か「関係」か、それともその両方か、ということになる。 われわれは、研究の対象というと実体が中心で、関係はあまり取り上げてこなかった。 関係は物事(ものやできごと)の間のかかわりのことである。したがって、物事があれば関係は存在する。これからの生涯学習研究にあっては、関係を研究対象として、本格的に取り上げていかなければならないであろう。 3. 研究目的のレベル 研究目的は、理論研究、実証研究、計算研究のような区分で把握することができる。最近は、コンピュータの急速な発達にともない、計算研究といわれる分野が確立されつつあり、研究も理論研究、実証研究、計算研究に三分されるようになり始めた。生涯学習研究の場合には、実証研究を行おうとすると、調査などの対する協力を得ることが難しくなりつつあり、様々な困難を伴う。今後は、シミュレーションを含む計算研究によって、新たな生涯学習研究の道を切り開ける可能性がある。 4. 説明方法のレベル 研究目いずれであっても、証明、検証、解明の仕方が問われる。それらは、まとめて説明方法ということが出来る。 説明レベルでの方法は、突き詰めると、還元主義、全体論(ホーリズム)に分けられる。 説明方法のレベルでいえば、還元主義はある対象を1次元下位のレベルで説明する方法で、ホ−リズムは、対象を構成している要素の関係を同次元で明らかにする方法といえるであろう。 br> 添付資料:研究領域 |
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参考文献 ・山本恒夫『関係計算の方法』筑波大学教育学系生涯学習学研究室、1997 |
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