登録/更新年月日:2009(平成21)年9月15日 |
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家庭教育は、子どもが基本的な生活習慣、豊かな情操、基本的な社会のルール、自立心や自制心などを身に付ける上で重要な役割を果たす。しかし、近年の都市化、核家族化、少子化、地域の地縁的なつながりの希薄化などにより、家庭を取り巻く状況は大きく変化し、子育てに自信が持てない親の増加が問題となっている。 以前は、子育てを支える環境として拡大家族や地域の人々の協力があった。また、そのような環境の中で、人は子どもの頃から年齢の違う大勢の人と接したり、幼い子の世話をしたりする経験を通して子育てを学ぶ機会があった。現在は、これらの環境や経験が不足している。文部科学省が平成20年度に行った「家庭教育の活性化支援等に関する特別調査研究」においても、約8割の親が家庭の教育力の低下を実感しているという結果が出ている。さらに、近年、子どもが事件や事故で被害にあうケースが多く見られ、子育て中の親の不安感を一層強めている。 この様な状況の中で、平成18(2006)年12月に改正された教育基本法第10条に「家庭教育」が新設され、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。」と規定された。また、同第2項では、「国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講じるよう努めなければならない。」と規定している。さらに、第13条には家庭及び地域住民等の相互の連携・協力を新設し、「学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。」と規定された。 また、平成20(2008)年7月に閣議決定された教育振興基本計画においては、特に重点的に取り組むべき事項として家庭教育を位置付け、「子育てに関する学習機会の情報提供、相談などの家庭教育に関する総合的な取組を関係機関が連携して行えるように促す。こうした取組の成果をすべての市町村に周知し、共有すること等を通じて、広く全国の市町村で専門家がチームを構成して支援するなど、身近な地域におけるきめ細かな家庭教育支援の取組が実施されるよう促す。」と示している。 これまでも、国や地方公共団体の施策として、家庭教育手帳の配布、乳幼児検診や就学時検診などでの講座の開催、ITを活用した子育て支援に関する情報提供、家庭訪問による子育て相談などの取組が進められてきた。しかし、育児不安の増大や児童虐待の増加など家庭が抱える問題は今なお深刻な状況にあり、今後も孤立する親や子育てに関心が低い親などを含めたすべての親を対象とする家庭教育支援の取組を社会全体で進めて行くことが求められている。特に、身近な地域における家庭教育支援の基盤整備が必要であることから、学校・家庭・地域・企業(職場)が連携し、地域社会で家庭教育を支援していくために、地域の教育力の向上を図っていくことが重要である。 br> |
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参考文献 ・文部科学省平成20年度家庭教育の活性化支援等に関する特別調査研究 ・文部科学省平成14年今後の家庭教育支援の充実についての懇談会「社会の宝」として子どもを育てよう!(報告) |
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