生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年11月2日
 
 

学習活動促進支援の財政施策 (がくしゅうかつどうそくしんしえんのざいせいせさく)

financial measure of study activity promotion support
キーワード : 新たな「公共」、市民公益活動支援基金、新しい補助金制度、マッチング・ギフト型、公募制
今西幸蔵(いまにしこうぞう)
1.市民公益活動への支援
  
 
 
 
  【生涯学習活動と財政施策の課題】
 近年、各方面から新たな「公共」という概念が明らかにされ、平成14(2002)年の中央教育審議会答申「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」では、この新たな「公共」を担う奉仕活動の例として、1)保健、医療又は福祉の増進を図る活動、2)教育の推進を図る活動、3)まちづくりの推進を図る活動、4)文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動、5)環境保全を図る活動、6)災害救援活動などのテーマ型のコミュニティ活動等が示された。
 市民公益活動は、こうした公共的・公益的活動の社会的責任主体としての役割を果たすものであり、主体的・自律的な個人の社会参加・参画を基盤とした新しいコミュニティ形成への動きの1つと考えられる。生涯学習をとおして市民の主体的な力量形成を図り、市民公益活動を促進することは、新たな「公共」を創出していくための要件を満たすことになる。さらに「市民の責任と社会参加」という視点に立って、「公共課題」を解決するための学習を積極的に進めることは、市民にとっての生涯学習が、「公共」との繋がりのなかで、自己実現を獲得していくプロセスを持つことになる点が重要である。
 しかし実際の問題として、人々の組織的な学習活動を促進していく上での最重要課題に財政に関わる問題がある。長引く不況下においては、多くの生涯学習活動団体では、財政に関わる問題が指摘されており、学習活動促進支援に立った財政施策が他の施策よりも優先順位の高い課題となっている。
【市民公益活動への支援のあり方】
 市民公益活動に対する行政セクターからの支援策をあげると、次のようになる。1)補助金や助成金、2)公共施設等の貸与、3)人材の派遣、4)研修会の実施による人材の育成、5)事業共催や事業委託及び後援、6)情報提供や相談等である。
 同様に、企業等の民間セクターからの市民公益活動に対する支援策をあげると、1)ボランティア参加、2)会費や基金の提供、3)寄付等がある。また大学等の高等教育機関からの知的財産の提供も市民公益活動に対する支援策と考えられる。
 市民セクターが市民公益活動を実施しようとする場合、一番支障となるのが資金等の財政面の問題である。そこで市民セクターに対しての行政セクターからの間接的・側面的な財政的支援があれば、官民の「協働」に進展する可能性が高い。つまり市民セクターが自らの専門性や先駆性を生かし、自立した活動を発展させる試みを行い、行政セクターと共同性を形成していくことが「協働」の前提となるのであり、そのことを実現するためには、行政セクターによる財政的支援が不可欠であるということである。
 官民の「協働」の基本原則をふまえて、直接・間接的な財政的支援のあり方について整理するならば、次の10点に集約される。
1)各々の個人や団体が会費等の自主的財源の確保を図ることができるような支援
2)事業の発展・拡大に向けた支援
3)行政との共同による委託事業と受託の推進
4)基金を含む補助金等による資金の提供
5)行政との事業共催
6)税の軽減措置
7)行政による融資制度
8)公的施設等の提供による連絡・活動場所の確保
9)人的資源の提供
10)各種のノウハウを含む技術的支援の提供
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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