生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2015(平成27)年1月1日
 
 

図書館における連携協力による地域づくり (としょかんにおけるれんけいきょうりょくによるちいきづくり)

キーワード : 図書館、地域づくり、郷土資料、地域のたからもの、紙芝居
秋山美和子(あきやまみわこ)
1.定義と課題
  
 
 
 
   地域づくりを考えた場合、平成の大合併は大きな転機となった。市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律が施行された平成16(2004)年 5月現在で3,100あった市町村数が、平成26(2014)年4月現在では1,718にまで減少している。(総務省)
 合併後の地域づくりとして多くの自治体で「新市の一体感の醸成」や「地域の特色を生かした均衡ある発展」が政策として掲げられたが、この政策を実現するためには、まず身近な地域の魅力を再認識し、合併した他の地域のことも知らなければならない。そして、特に合併により自治体名がなくなった地域においては、自分たちの地域のアイデンティティを確立し、誇りをもって地域づくりを進めていく必要が生じた。
 さらに、平成23(2011)年3月11日に発生した東日本大震災において、日本中が地域の在り方を根本的に見直さなければならない事態となった。
 このような事態に直面し、図書館として地域課題を解決するために参考となる報告書がふたつある。ひとつが「地域プライド創発による地域づくりのあり方に関する調査」(平成18(2006)年3月、文部科学省、文化庁、国土交通省)報告書である。この報告書には、地域の人々によって受け継ぎ、守り育てられてきた地域固有の精神文化である地域プライドを活用することにより、個性ある人づくり、自立する地域づくりを実現することができると書かれている。
 もうひとつが、「これからの図書館像」(平成18(2006)年3月、これからの図書館の在り方検討協力者会議)で、この報告書で特に注目したいのが、図書館は、地域の課題解決や調査研究を支援するところであるという指摘、さらに、まちづくりや地域の振興、活性化を図るための核となる施設であるということである。つまり、住民や地域に役立つ図書館でなければならない。現在、図書館ではこの報告書に示されたとおり、闘病記文庫、ビジネス支援などさまざまなサービス提供が進んでいる。
 図書館のサービスは、地域の実情や市民ニーズに合わせて行うのが基本である。しかし、規模の小さな図書館では、予算的、人的な制約から思うようなサービスが提供できないところもある。ここでは、大都市の図書館や中央館的な機能をもつ図書館ではなく、地域密着型の小さな図書館であることのスケールメリットを最大件活用した取り組みとして、高崎市立群馬図書館の事例を紹介したい。
 高崎市は、平成の大合併の際に5町1村との間で3度の合併を行い、合併後の図書館は旧高崎市立図書館を中央図書館とし、旧町立図書館5館を地域図書館とした6館体制となった。今回紹介する群馬図書館は、平成6(1994)年に群馬町立図書館として開館し、合併により高崎市立図書館の地域図書館となったものである。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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