登録/更新年月日:2015(平成27)年1月1日 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
平成22(2010)年度は高崎市制110周年記念の年にあたり、その際、予算を獲得して取り組んだのが「地域のたからもの発見隊」事業である。この事業は、以下の5項目からなっている。 (1) 地域に関するクイズの実施 (2) 地域の「たからもの」募集 (3) 講演会の開催 (4) パンフレット『みんなで考える地域の「たからもの」』作成 (5) 取り組み成果の発表 まず、1点目の地域に関するクイズの実施については、「群馬町かるた」を活用して「ふるさと再発見クイズ」(三択問題を30問)を作成した。郷土かるたは、後世に伝えたい歴史や文化、産業、人物などを紹介したもので、地域を知るためにはたいへん有効な資料である。まず身近な地域のことを知り、高崎市全体へと関心をつなげるように、三択問題の答えの中に他の地域に関する内容を入れた。 2点目の地域の「たからもの」の募集では、市民は具体的に何を「たからもの」と感じているかアンケート調査を実施した。 3点目の講演会の開催では、地域のたからものと言える群馬の絹産業にゆかりの深い伝統工芸士(江戸小紋)と郷土史の大家で元博物館館長に講演を依頼した。 4点目のパンフレット『みんなで考える地域の「たからもの」』作成では、パンフレットを作成する際に、「たからもの」から見える地域プライドが明確になるように心がけると同時に、子どもたちが調べ学習に使えるように工夫した。 たとえば、旧群馬町は、群馬の地名の元となった古代の豪族・車持君(くるまもちのきみ)が住んでいたとされる場所で、館跡・三ツ寺T遺跡と墓・保渡田(ほどた)古墳群があり、館跡と墓がそろって発見されたのは全国的にもめずらしいと、中学校の社会科の教科書に掲載されている。そして、毎年、学芸員の研究成果をもとにした再現劇「古代王の儀式」がボランティアの手で上演される。まさに地域プライド創発による地域づくりの好例であり、この流れを、クイズとその解説、写真、市民からの「たからもの」に関する意見をまとめてパンフレットに掲載した。クイズの30項目についてはすべてこのような形式で、30項目に収まらなかった意見も別に掲載した。このパンフレットを作成するにあたり、市民や団体、群馬地域内の各施設、地元企業などに取材し、写真を提供していただいた。 このパンフレットは、地域の小・中学校、公共施設や行政関係者、議員、各種団体の方々に配布し、高い評価を受けることができた。 5点目の取り組み成果の発表では、「たからもの」についての意見と該当する箇所を明示した地図をパネル展示し、パンフレットやたからものに関連した資料を市民に提供した。また、高崎経済大学地域政策学部のゼミの協力を受け、地域を知る活動をどのように地域づくりにつなげるかという観点で講演会をした後、参加者が自由に議論する場を設けた。 「地域のたからもの発見隊」事業を契機に、市民に地域の魅力を見直し地域づくりのきっかけを提供することができ、図書館としては地域の資源をまとめた資料を作成することができた。 br> |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
参考文献 |
|||||||||||||
『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。 |
|||||||||||||
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved. |