生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2008(平成20)年9月4日
 
 

スクール・コミュニティ (すくーる・こみゅにてぃ)

school community
キーワード : 学びの共同体、学社融合、地域教育、地域社会学校(コミュニティ・スクール)、教育基本法第3条・13条
井上講四(いのうえこうし)
2.意義と背景
 
 
 
 
   ところで、かつて以前にも似たような発想、取り組みはあった。例えば1930年代、外国では、アメリカのE.G.オルセンらの「地域社会学校(「コミュニティ・スクール」と訳されている)」の実践、我が国では、第二次大戦後の、地域社会の現実に根ざした教育課程の自主編成論(地域教育計画)や東井義雄の「村を育てる学力」の実践等が、そうである。単純に言えば、これらは、「地域との協働で子どもたちを育てる」、「地域を大切にする」という文脈があるが、今回の提案は、そこにおける「子どもと大人の学び」の融合という形で、「地域から学ぶ、そして地域へ還元する」、そしてまた「学校から学ぶ、そして学校へ還元する」という、いわば「大人と子どもの学習」あるいは「ひとづくりとまちづくり」の、新たな「双方向の関係づくり」を目指すということが重要である。そうしてみると、これからの学校教育と社会教育の協働実践は、ある意味この「スクール・コミュニティ」を創り出していくこととも言える。
 ちなみに、現在、教育特区構想等を経て実現している、「学校運営協議会」方式による「コミュニティ・スクール(地域運営学校)」は、とりわけこの「スクール・コミュニティ(学びの共同体)」を、積極的に生み出そうするものだということになる。ただし、この方式だけが、「スクール・コミュニティ」を具現化するものではなく、あくまでも一つの形式であると捉えた方がよい。何故なら、他にもこのような「スクール・コミュニティ」を実現させようとする取り組みは多種多様にあり得るからである。したがって、定義的にも「コミュニティ・スクール」とは異なるものであることを、ここでは確認しておきたい。とは言え、現在は、こうした、「地域」を基盤とした「統合的な教育・学習システム」が、改めて求められているという事実には変わりがない。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
 



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