登録/更新年月日:2006(平成18)年10月31日 |
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1)子どもの遊び活動嗜好傾向〜幼児期の特徴〜 遊び活動研究プロジェクト(常磐大学中村正之研究室)は,北関東の都市部と農村部における幼稚園児,小学生及び中学生の遊び活動の実態を把握するため,平成14(2002)年に栃木県において「子どもの遊び活動実態調査」を実施した。さらに平成15(2003)年,同プロジェクトは,茨城県鉾田町(現,鉾田市)の小・中学生を対象に「子どもの遊び活動嗜好傾向と自己性格分析に関する調査」を実施した。 これらの調査から,次のような特徴が浮かび上がってくる。 ア.3〜6歳(幼児期) 子どもは幼児期の3年間に遊び活動の傾向をめまぐるしく変化させ、従事する遊び活動の種類も急激に増加する。これは,心身の成長発達に起因するところが極めて大きい。 a. 3歳 3歳の頃には,日常生活における活動範囲が急激に拡大していく。すなわち,自宅周辺での生活から幼稚園や保育園への通園に伴う空間的な広がりが見られるとともに,身体的運動能力の急激な発達に伴い,外遊びへの興味関心が高まってくる。同時に自己表現欲求も開花し,ままごとあそびなどを通して,日常生活の再現を試みる遊びが急増する。 b. 4歳 4歳になると,遊び活動も急激に知的活動へと移行していく。身体的運動能力が発達中であるので外遊びは活発に行いつつも,知的発達に伴い,室内での遊びに熱中するようになる。言語能力の急激な発達により,絵本などの文字への関心が高まるとともに,お絵かき,ものつくりなどの創作活動へと活動が変化していく。 また,日常生活をより深く観察できるようになることろから,観察結果を活かした遊びを好むようになる。ままごとやごっこあそびが多くなり,いわゆる「ままごとのバリエーション」が大きく広がる時期でもある。ごっこ遊びの中でも,お買い物ごっこや病院ごっこなど,日常生活に密着した遊びのバリエーションが広がるという特徴がある。 さらに,この頃になると,季節感に対しても敏感になり,季節の特徴を生かした様々な遊びに従事するようになる。 c. 5歳 5歳になると,遊び活動が質的に変化していく。まず,再び外遊びへの関心が高まっていく。その特徴として,本来は単純な遊びであるものに複雑なルールを当てはめて遊ぶことが増えてくる。「鬼ごっこのバリエーション」が一気に拡大する時期である。 また,想像の世界に遊ぶことができるようになる時期でもあり,ごっこ遊びの中でも,ヒーローごっこを好むようになる。 さらに,この頃には季節変化に敏感に対応するようになり,それに伴い,季節行事や季節ごとの様々な遊びやイベント等に対する関心も一層の深まりを見せるようになる。 br> |
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参考文献 ・遊び活動研究プロジェクト「発達課題と学習内容・遊び活動との関連についての調査研究」栃木県総合教育センター『平成12年度紀要第8号(1)』2000年3月。 ・中村正之「遊び活動が子どもの人間関係形成に果たす役割についての実証的研究」常磐大学コミュニティ振興学部『コミュニティ振興研究創刊号』2001年3月。 ・中村正之「年齢の上昇にともなう遊び活動の変化について」常磐大学コミュニティ振興学部『コミュニティ振興研究第3号』2003年3月。 |
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