生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2008(平成20)年1月2日
 
 

心に響く美しい言葉 (こころにひびくうつくしいことば)

キーワード : 生涯学習推進
文珠川雅士(もんじゅがわまさし)
2.一枚のハガキは人の心とまちを変える
 
 
 
 
   福井県丸岡町が、まちおこしの一環として日本一短い心のこもった「母」への手紙を募集したところ、全国各地から3万通を超える手紙が届いたという。それらの作品の一部が『日本一短い「母」への手紙』(大巧社)として刊行された。例えば、
「お母さん、雪の降る夜に私を生んで下さってありがとう。もうすぐ雪ですね。」(天根利徳・大阪府)
 それらを読むたびに、胸が熱く心打たれるものがある。そこには母への熱き思い、親と子の情愛、生きることの大切さなどが切々と表現されているように思う。私たちは日常生活の中に素直さや感謝の心、謙虚さを感じた時、だれもが心打たれるのである。そして、毎日の暮らしの中で感じる豊かな心を表す「日本語」という素敵な言葉があるということに、ぜひ注目したいものである。このように先人が遺してくれた美しい言葉は、何ものにも替え難い私たちの財産である。そして、今歩んでいるこのかけがえのない人生を、こんな素晴らしい言葉を使わないまま漫然と過ごしてしまうことは大きな損失であり、実に惜しいことである。
 ところで、私は日頃から、まちの活性化のために、次のような提案をしている。
1)そのまちの美しいオリジナル絵ハガキ,あるいは自作の「手作り絵ハガキ」等を使って、一人、週に三通以上、たとえ、字は下手でも自分の字で書きましょう。機械が打ち出す文字では、人の心のぬくもりが伝わりません。
2)自分の住むまちで自慢できる日本一の魅力を「縦糸」にして、これまで自分なりに育んできた心模様を「横糸」に、自分にしか作り出せない手織りのような便りを、全国の知人や友人に、そして親戚に、親と子で一緒に、また、皆でまちを挙げてハガキを書いて出してみよう。
3)今の世は携帯電話の時代でとても便利ではあるが、その一瞬の会話は人の心の奥深くいつまでも刻まれることは無い。むしろ、その感動は直ぐ消え去ってしまう。やはり、心に残る美しい言葉はハガキで伝えるに勝るものはない。そして、たった50円で北は北海道から南は沖縄まで全国各地に届けることができる。
4)このように「美しい言葉で綴る」心温かい人々が住むまちはどんな所だろうか。ぜひ、行ってみたいと誰もが思うことは必定である。そんなまちおこしをしてみようではないか。
5)かつての明治の文豪、坪内逍遥が、知人や友人に絵ハガキを書くときの心情を述べた感動的な言葉がある。「今、自分がここで眺めているこの美しい景色は、我が筆にてはとても表現することはできないが、小さな絵葉書は、この美しい情景をあの方にもぜひお見せしたいという思いを代わってその人に伝えてくれる。私は、この絵葉書に今の気持ちを添えて届けることを日課としているが、ペンを執るその時がたいへん幸せである。」と・・・(註釈)
 
 
 
  参考文献
・福井県丸岡町『日本一短い「母」への手紙』大巧社、1994年8月25日。
 
 
 
 
 



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