登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
【説明】 公民館は地域社会の中でどのようなことが期待されているのだろうか。ここでは、国レベルで公民館を全面的に取り上げてその役割を示している文部省(現文部科学省)の生涯学習審議会社会教育分科審議会施設部会(当時)による報告「公民館の整備・運営の在り方について」(平成3(1991)年6月、以下、「施設部会報告」とする。)及び文部科学省告示「公民館の設置及び運営に関する基準」(平成15(2003)年6月、以下、「設置基準」とする。)に示された内容から考えてみたい。 平成3(1991)年の「施設部会報告」では、公民館は住民の学習需要に総合的に応える施設であり、また、地域社会の形成や地域文化の振興の役割を果たしてきているといわれている。今後、公民館は地域の生涯学習推進の中核的な役割を果たすことが求められ、具体的内容には次の項目が示されている。 (1)公民館活動の多様化・活発化 ア.多様な学習機会の提供 イ.自発的な学習活動の支援 ウ.学習成果活用の場の配慮 (2)学習情報提供・相談機能の充実 ア.学習情報の提供 イ.相談機能の充実 (3)地域活動の拠点としての役割 (4)生涯学習関連施設等との連携 (1)は学習機会の提供と学習成果の活用に関わる支援、(2)は主に(1)の学習や学習成果の活用を進めるための情報提供や学習相談といえる。(3)は、地域づくりなどといわれる地域社会の形成に関わることで、伝統文化の保存継承や各種の交流活動などを通じて地域連帯意識の形成などに寄与することが求められている。(4)は(1)から(3)などのための手段的な内容であり、各種施設との連携の必要性がいわれている。 一方、「設置基準」は、定量的かつ画一的であった基準を大綱化・弾力化し、また、多様化する学習ニーズや現代的課題に対応した公民館の運営の在り方を示すために、それまでの基準を全面的に改正したものである。この中で公民館に求められている内容を整理すると次のようになる。 1)地域の学習拠点としての機能 2)地域の家庭教育支援拠点としての機能 3)奉仕活動・体験活動の推進 4)学校、家庭、及び地域社会との連携の推進 まず、1)からもわかるように、公民館は地域の学習支援の拠点となることが期待されている。これは、従来からもいわれる内容であるが、昨今の状況から、NPO等との連携による多様な学習機会の提供や、情報通信ネットワークによる情報提供などが例示されている。2)および3)の家庭教育支援や奉仕活動、体験活動の推進は、1)や「施設部会報告」の3)などに含まれる内容でもあるが、平成13(2001)年の社会教育法の一部改正などを受けて、現在、とりわけ重要な内容として示されているといってよいだろう。4)は、1)から3)を進めるときの手段的内容ととらえることができる。 以上をまとめると、地域社会における公民館の第1の役割は、地域における学習支援である。これには、多様な学習機会の提供、自主的な学習活動の支援、学習成果活用の支援、学習情報提供、学習相談などが含まれ、新しい情報通信技術等の活用なども求められている。第2は、地域づくりやまちづくりの支援で、公民館は地域づくりに関わる活動の支援や、地域連帯意識の向上などに寄与することが求められているといえる。 br> |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
参考文献 ・生涯学習審議会社会教育分科審議会施設部会報告「公民館の整備・運営の在り方について」、平成3(1991)年 ・文部科学省告示「公民館の設置及び運営に関する基準」、平成15(2003)年 |
|||||||||||||
『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。 |
|||||||||||||
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved. |