登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
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【説明】 これからの公民館により一層求められるのは、地域づくりへの貢献であると考えられる。これは、例えば、平成12(2000)年の生涯学習審議会答申「新しい情報通信技術を活用した生涯学習の推進方策について」において示されているように、公民館が地域の学習情報の収集や相談への対応を通じて地域のコミュニケーションの拠点となり、まちづくりや地域の活性化に寄与することが期待されている。また、平成16(2004)年の中央教育審議会生涯学習分科会「今後の生涯学習の振興方策について(審議経過の報告)」に付された「関係機関・団体等の重点的に取り組むべき分野に関する意見」の中で、公民館が地域課題の解決に向けて地域コミュニティ全体へのサービスを充実していくことが求められている。 今後、公民館がいかに地域づくりを支援していけばよいかを明らかにしていくことが必要となるので、ここでは、公民館の役割と地域づくり支援を分析する枠組の提示を試みたい。 公民館が地域づくりを支援するというのは、公民館がその役割を果たすことが、直接的にあるいは間接的に地域づくりにつながることと考えられる。これを分析するためには少なくとも1)公民館の役割とは何か、2)地域づくりとは何か、3)公民館の役割と地域づくりの関係、を明らかにしておくことが必要だろう。 まず第1に、公民館の役割は前項の「地域における公民館の役割」で示したが、具体的な役割として次のように整理することができる。 (1)学習機会の提供 (2)自主的な学習活動の支援 (3)学習情報提供 (4)学習相談 (5)地域活動の拠点としての役割 第2は地域づくりとは何かである。「地域づくり」や「まちづくり」という用語は広く用いられているが、その概念については共通した見解を得る段階には未だないように思われる。そこで、例えば、一般に都市の機能としては、人々が「育てる、育つ」、「働く」、「住む」、「楽しむ」ことができるということが必要で、これらを可能とすることが地域づくりにつながるという蓮見らの考え方を参考にして、地域づくりに必要とされる内容を整理すると次のように考えることができる。 1)教育・学習、文化、芸術活動の促進 ア.地区の指導者・ボランティアの養成・活動支援 イ.地域での学習の充実、 ウ.地区の文化、芸術、特色の創出・向上 2)職業生活の充実 3)居住意識、地区の連帯感の向上 4)交流の促進、家庭生活の充実 さらに第3の公民館の役割と地域づくりに必要とされる内容の関係については、公民館の役割の(5)地域活動の拠点としての役割だけが地域づくり支援に関わると思われがちであるが、地域づくりに必要な内容を上記のようにとらえるならば、公民館の役割の(1)から(5)のそれぞれが地域づくりに関わっていると考えることの方が妥当であろう。例えば、学習機会の提供を通じて地区の指導者・ボランティアを養成すること、学習情報提供を通じて居住意識や地区の連帯感の向上を図ることなどは、地域づくりを支援することにつながっているととらえてよいと思われる。このように考えると、公民館の役割と地域づくりへの寄与の関係を検討する方法として、公民館の役割のそれぞれと、地域づくりに必要とされるそれぞれの内容とを対応させて、それらが地域づくり支援に果たす影響を具体的に分析していくことが考えられる。 br> |
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参考文献 ・生涯学習審議会答申「新しい情報通信技術を活用した生涯学習の推進方策について」、平成12(2000)年 ・中央教育審議会生涯学習分科会「今後の生涯学習の振興方策について(審議経過の報告)」、平成16(2004)年 ・蓮見音彦、山本英二、似田貝香門『地域形成の論理』、学陽書房、昭和56(1981)年 |
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