登録/更新年月日:2008(平成20)年4月25日 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
【親自身による「子育てのまちづくり」実践・研究のもつ参画効果とその構造】 平成17(2005)〜21(2009)年度文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業聖徳大学子育て支援社会連携研究「連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究」(研究代表者 松島鈞副学長)においては、個人完結型の子育てから社会に開かれた子育て観への転換というコンセプトのもとに、自己形成と社会形成の一体化による「子育てのまちづくり」のための研究を進めている(添付ファイル図6)。 モンスターなどと呼ばれる親が出現し、子育て専門機関への「あなた任せ」の子育てが進行する今日、出生率向上のための子育て支援施策ばかりをいくら講じたところで、本質的な問題解決には至らないことは明らかである。親が、子育て仲間をつくり、子育て学習のなかで学びあい、支えあい、「子育てのまちづくり」の中で役割を果たしてこそ、わが国の少子化インパクトは軽減されるものといえる。 子育て学習研究においては、参画が、親の自己形成と循環して行われるプロセスを明らかにする必要がある。また、「子育てまちづくりへの参画」には、行政から委嘱されて活動する場合、子育てグループのリーダーとして活動する場合、さらには関連機関と協働してまちづくりとして活動する場合など、いくつかのレベルが想定される。それぞれの社会化過程が異なるため、子育て学習の発展プロセスについても、構造的に把握する必要がある。 【子育て学習における能力ラダーの設定】 子育て学習による親能力の開発に関しては、各ステージとシフトアップの過程を明らかにする必要がある(添付ファイル図7)。本図で想定されるプロセスは次のとおりである。社会に関しては「他人事」ととらえ、「子育てまちづくり」については「ひとまかせ」とする親が、やがて変革していく。そのプロセスは、「わが子のことをよく見る」から始まって、子育て仲間を見出し、自他への気づきを深めるのである。さらには、自己形成へと発展し、子育てまちづくりへの参画という形に至る。このように自己形成と社会形成とが循環的、一体的に行われる。 さらに、各ステージのまとまりを一つの段階として把握すると、ステージ4の「子育てまちづくりへの参画」には、いくつかのレベルが考えられる。他者とのあいさつ・会話などの原初的レベルから、他者からの委嘱に応えて活動するレベル、子育て仲間のリーダーとして活動するレベル、子育て支援行政や関連機関と協働して「子育てまちづくり活動」を行うレベルなどである。これらの参画レベルのシフトアップ過程を検討することによって、子育てまちづくりへの参画による学習の発展過程が理解される(添付ファイル図8)。 このような方法によって、親にとっての社会形成への関与レベルと進展段階を指標化、明確化することによって、子育て学習における親の社会化に関する「能力ラダー」の構造を明らかにすることができると考えられる。 br> 添付資料:子育て学習の構造図表 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
参考文献 ・聖徳大学子育て支援社会連携研究「連鎖的参画による子育てのまちづくりに関する開発的研究」平成17・18年度研究集録、2007年12月 |
|||||||||||||
『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。 |
|||||||||||||
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved. |