生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2014(平成26)年11月29日
 
 

高校生のキャリア意識 (こうこうせいのきゃりあいしき)

career consciousness of high school students
キーワード : キャリア教育、高等学校、岡山県「高校生社会貢献活動推進事業」、群馬県「高校生ボランティア・チューター小学校派遣事業」
林幸克(はやしゆきよし)
1.高等学校におけるキャリア教育
  
 
 
 
   中央教育審議会答申「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」(平成11(1999)年)においてキャリア教育の重要性が示されて以来、その在り方について様々な議論が展開されてきた。高等学校に着目すると、高等学校学習指導要領(平成21(2009)年)に初めて「キャリア教育」の文言が入り、その総則の中で「キャリア教育を推進するために、地域や学校の実態、生徒の特性、進路等を考慮し、地域や産業界等との連携を図り、産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験の機会を積極的に設けるとともに、地域や産業界等の人々の協力を積極的に得るよう配慮する」とされた。平成11(1999)年の答申から10年、学習指導要領で言及されたことで、教育現場におけるキャリア教育は、今後よりいっそう推進されることが期待されている。
 その一端は、高等学校学習指導要領(平成21(2009)年)以降の政策方針を概観すると明確である。中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(平成23(2011)年)では、「高等学校の段階においては、自らの将来のキャリア形成を自ら考えさせ、選択させることが重要である。このため、学習指導要領を着実に実施するとともに、キャリア教育の視点からは、学科や卒業後の進路を問わず、現実的に社会・職業の理解を深めることや、自分が将来どのように社会に参画していくかを考える教育活動等を指導計画に位置付けて実施することが必要である。」とされた。また、中央教育審議会答申「今後の青少年の体験活動の推進について」(平成25(2013)年)には、社会的・職業的自立に必要な力の育成について、「子どもたちに自らの将来を考えさせるためには、多様な年齢・立場の人や社会や職業にかかわる様々な現場を通して、自己と社会についての多様な気づきや発見を経験させることが効果的である」と記された。
 さらに、中央教育審議会初等中等教育分科会高等学校教育部会「初等中等教育分科会高等学校部会の審議の経過について」(平成25(2013)年)をみると、高等学校教育に期待されるものとして、「生徒の適性や進路等に応じた課題を踏まえた教育を行うにあたっては、これからの時代が将来予測困難になっていることを見据えて、各学校が地域の実情や生徒の希望実態等を踏まえ、目標とする人間像を明確にした上で、それぞれの生徒の個性や能力を伸長させる教育を行うこと」が示されている。また、全ての生徒に共通に身に付けさせる資質・能力について、「社会・職業への円滑な移行に必要な力」「市民性(市民社会に関する知識理解、社会の一員として参画し貢献する意識など)」が重要な柱とされている。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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