登録/更新年月日:2014(平成26)年11月29日 |
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1)事業の概略 「岡山県教育振興基本計画−未来を拓く 人づくりプラン−」(平成22(2010)年2月策定)の人づくりにおいて踏まえるべき観点の1つに、「確かな学力、豊かな心、健やかな体」があり、子どもたちが生きていく上で基本となる資質能力をはぐくむために「豊かな心の育成」が掲げられた。施策の方向性として、高校生の道徳性や社会性を高めていくため、全生徒による社会貢献活動を推進することが明示され、具体的な取り組みとして「高等学校における社会貢献活動の推進」が示された。青少年の規範意識や公共の精神が低下していることが指摘されている中、高校生が様々な地域貢献活動を実践することを通して、社会貢献の意識を高めるとともに、豊かな人間性・社会性を育んでいけるよう、支援を行うこととされている。平成22(2010)年度から試行的に行われ、平成25(2013)年度から全県立高校で、1週間程度の社会貢献活動の実施が目指されている。 2)質問紙調査による成果の検証 上記事業の中で、小学生との交流活動に参加している高校生を中心に調査を行い、その成果が検証されている。内容としては、学童保育を利用する小学1・2年生約30名と高校生約50名が年間を通して活動するもので、高校生は、基本的に週に1回放課後に学童保育に行き、遊びを中心に小学生と交流する。なお、前期・後期に区切って活動登録する方式を採用しており、継続する生徒もいれば、どちらかの学期のみ活動する生徒もいる。 小学生と交流している高校生は、交流していない高校生と比較して、「大学や専門学校ではどんな勉強するのかを知りたいと思う」、「何かを決めるときには、情報は多いほうがいいと思う」、「みんなで決めた係や仕事は、きちんとやりたいと思う」、「学級の仕事は、みんなで協力したほうがいいと思う」、「友だちに悪いことをしたと思ったら謝ることができると思う」等で得点が高く、勉強などに対する情報収集意欲や友だちとの協力や思いやりなど、良好な人間関係維持が大切であるとする意識が高いことが示された。 交流している高校生の属性に着目すると、男女別では、男子で「将来どんな仕事をしたいかを今から考えなくてもいいと思う」で得点が高く、女子では、「だらだらとテレビをみないようにしようと思う」、「友だちのよいところをもっと知りたいと思う」、「友だちに悪いことをしたと思ったら謝ることができると思う」等で得点が高いことが明らかにされた。このことから、男子では職業意識の先送り、女子では規律ある生活志向や友だちとの人間関係維持・向上意識が高いことが示された。学年比較では、「だらだらとテレビをみないようにしようと思う」で、3年生が1年生よりも高いこと、「 失敗しても、あきらめずに、うまくいくまでがんばろうと思う」で1・3年生が2年生より得点が高いことが明示された。このことから、3年生は規律ある生活志向が強いこと、2年生は課題遂行・達成意欲が低いことが特徴的であるとされた。 br> |
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参考文献 ・林幸克「高校生のキャリア意識に関する研究−小学生との継続交流に基づく分析−」日本生涯教育学会論集、35、2014 |
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