生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2008(平成20)年12月31日
 
 

学びあい、支えあい事業 (まなびあい、ささえあいじぎょう)

キーワード : 地域活性化、地域の教育力、地域課題、住民の自立、連帯感
今西幸蔵(いまにしこうぞう)
3.学びあい,支えあい事業の事例
  
 
 
 
  【実践事例】
 本事業は、全国で約60の運営協議会と約500〜600箇所の実行委員会によって実施されている。事例収集については、社会教育実践事例研究協議会(委員長:鈴木真理氏)が行い、(財)全日本社会教育連合会の協力により、同協議会(会長:加藤雅晴氏)が詳しい報告書を作成しているが、ここでは事例として奈良県橿原市における実践を紹介することより、本事業の実際について示すことになる。
 平成19年(2007)度から奈良県「学びあい,支えあい」運営協議会は文部科学省からの事業委託を受け、県内3地域(大和郡山市、橿原市、宇陀郡曽爾村)での事業実施と検証・評価を行った。運営協議会は4実行委員会に再委託しているが、橿原市では橿原市地域活性化推進事業実行委員会が組織され、全国的にも数少ないと思われるが、市内の8地区にわたって事業が取り組まれている。
 A地区は、地区公民館を中心に「花いっぱい運動」を推進し、まちの美化推進や住民の地域への関心を高めている。
 B地区は、地域住民が地域との一体感が持てるような学習会を開いているが、体験学習として、障がいや地域医療に関わる認識を深めることに重点が置かれている。
 C地区では、介護保険制度についての学習会や健康ダンスの講習会が実施されており、健康学習では地元医師会と連携して懇話会を開いている。
 D地区は、浄水場の見学、リサイクル学習、環境フェスタや文化祭の開催などから環境問題を学習しており、住民と子どもたちとの連携に特徴がある。
 E地区は、「安全・安心に生活できるまちづくり」を目指し、地区公民館での学習会やフィールドワークを行い、地区全体の安全と歴史に関わるマップを作成している。
 F地区では、地域の歴史を学び、それを情報提供することを目的とした学習会を開いている。その学習成果をホームページ上で情報提供することにつなげたのである。
 G地区では、地域で支えあうための介護の基礎知識を学習し、高齢者が安心して暮らせることを目指している。 
 H地区では、食育をテーマとして、生活習慣病予防の学習会や食品に関わる知識の習得に努めている。また防災意識を高めるような訓練などもある。
 橿原市で本事業がうまくいっている背景に、かつての婦人学級活動で培った地域の教育力があるとされる。事業の趣旨を生かした形で、地区公民館を拠点とした新たな地域活動として組織され、運営されている事業なのである。事業の成果として、住民の自立しようとする力が発揮される機会になったという評価があるが、そこには社会教育行政の支援がうまく届いているという点があることが重要である。
 
 
 
  参考文献
・『「学びあい,支えあい」地域活性化推進事業に関する調査研究報告書』((財)全日本社会教育連合会,平成20年3月)
・『平成19年度 奈良県「学びあい,支えあい」地域活性化推進事業報告書』(奈良県「学びあい,支えあい」運営協議会,平成20年3月)
これらのほか,各地の運営協議会で発行されている報告書が参考となる。
 
 
 
 
  



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