登録/更新年月日:2007(平成19)年3月3日 |
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【定義】 アクション・ラーニングは、職場や地域社会など様々な場面で、現実に直面している問題について、その事柄に関連している人々が、「対話」と「行動」を通して、課題の抽出から、解決方策の検討、その実行と結果の振り返りまでの過程を共有し、必要な変化を創り出す「なすこと(doing)」を強調した学習のアプローチである。現場、あるいはそのシミュレーションにおいて、この一連の学びのサイクルを持続することにより、個々人の学びと変化を生み出すとともに、その集団が学びによってよりよい方向に変化し続ける学習コミュニティとなることをめざしている。また、次々と出現する新たな問題に創造的に対応するための「学習することの学習(learning how to learn)」といったメタ学習力を高めようとするものである。 【説明】 アクション・ラーニングは、学習過程において経験の役割の重要性を強調したデューイの「なすことによって学ぶ(learning by doing)」、リンデマンの、学習者の経験は「生きたテキストブック(a living textbook)」であるといった考え方とともに、これまでもずっと学習の見方、考え方のひとつの核をなしてきた「経験学習」につらなるものである。経験学習の考え方は、近年コルブやバウド等の人間の認知過程にまで踏み込んだ現代的アプローチに導かれ、変容学習(transformational learning)や状況的認知(situated cognition)といった考え方も包摂したより広い拡大された概念として深められてきている。 したがって、アクション・ラーニングの中にも、個々人の経験の意味をつくる方法が、学習を促進し、個人的成長につながっていくという基本的考え方に立ち、意味をつくる方法として、現在の自分の活動を批判的に省察(critical reflection)し、ものの見方や行動を変えていく変容学習や、知ることと学習することは特定の場における人間の活動の変化する過程に直接かかわることであるという状況的認知の考え方が色濃く反映されている。 また、最近の「知識の分散化」−知識の多様な源泉や形態に価値が置かれ、専門家の学問を基礎とした知識が無価値化していく状況−が、専門家や科学者の知識に頼らないで現場で生み出されるインフォーマルな理論や活動を重視するアクション・ラーニングの取り組みに拍車をかけている。 br> |
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参考文献 ・葛原生子「学習論の系譜と展開」、鈴木眞理・永井健夫編著『生涯学習社会の学習論』、学文社、2003。 |
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