登録/更新年月日:2009(平成21)年9月1日 |
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これまで、子どもたちには自立心や社会性の欠如、不登校、いじめなどが問題視されてきたが、最近では、親による児童虐待の急増や親子間の殺傷事件の発生など、特に、親子関係の問題が加わってきているのである。「まじめでおとなしい子があんな恐ろしい事件を起こすとは」、「明るくあいさつをしていた子が、家に放火して家族を殺すとは」などと子どもを知る多くの人たちが語っているように、普通の子がある日突然に大事件を引き起こし、今日の家庭がかかえる問題や親子関係が極めて深刻化してきている様子がうかがえるのである。 事件を起こした子どもたちの多くは、「とにかく勉強、勉強で親が口うるさく黙らせたかった」、「自分自身の存在感がどこにもなく、自分の人生をリセットしたかった」などと答えている。そこには、親の言われるままの生き方からは自分の人生の目標は見えず、やる気も起きず、羅針盤を失った船が枯れ葉のごとくただ大海を漂っているかのような子どもの姿がある。 ある中学生の男の子が「勉強が必要なことはわかるが、もっと世界の出来事や社会のこと、これからどのように生きていったらいいかなどを教えて欲しい」と語っていた言葉が強く印象に残っている。家庭、学校、塾の狭い空間の中だけで本物や社会を知らない生活からは、社会に飛び出していく勇気や力が備わってこないのは当然であろう。 このような事件の背景に親子関係の希薄化や家族間のバランスの崩れがあるとすれば、それを修正し子どもたちを救えるのは親以外にはいないのである。間違いなく今の子どもたちはもがき苦しみ、誰かの助けを求めているのである。子どもたちに自立や社会性を身につけさせるためにはどのようにしたらよいのか、子どもたちの意見に耳を傾けながら親や大人はもっと真剣に対応していく必要があるように思う。 br> |
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参考文献 |
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