登録/更新年月日:2009(平成21)年9月1日 |
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ここで、家庭環境と子どもたちの状況を、平成19年度に行った小中学生対象の調査から分析してみたい。この調査は、関東1都5県の小学5年生1,085人、中学2年生1,608人の合計2,693人から回答を得たものである。 (1)家庭が楽しいかと親子の信頼関係 先ず、「家庭が楽しいか」と「親を信頼しているか」の2項目をクロス集計(添付資料の表1)してみた。その結果、「家庭が全然楽しくない」と答える子どもは、「親を全然信頼していない」50.9%、「あまり信頼していない」23.2%、「よくわからない」13.4%、「まあ信頼している」6.3%、「とても信頼している」6.3%のように答え、「信頼していない」は74.1%に、「信頼している」は12.6%となる。 これに対して「家庭がとても楽しい」と答える子どもは、「親を全然信頼していない」0.5%、「あまり信頼していない」1.71%、「よくわからない」4.4%、「まあ信頼している」21.6%、「とても信頼している」71.8%のようになり、実に「家庭が楽しい」と答える子どもの93.4%が「親を信頼している」と回答するのである。 つまり、家庭が楽しくないと答える子どもは、親を信頼していないことが如実に表れてくるし、家庭が楽しい子は親への信頼度が高いことが明らかになり、家庭環境と親子の信頼関係との因果関係が極めて強いことが分かる。 (2)家庭が楽しい理由 そこで、「家庭が楽しい理由」について質問してみた。その結果、比率の高い順に挙げてみると、「家族の会話が楽しい」68.6%、「親が自分の話を良く聞いてくれる」47.4%、「両親の仲がよい」26.7%、「親に何でも相談できる」25.0%、「自分を信じてくれている」22.6%の順となるのである(添付資料の表2)。 これを小中学生別にみると、「家族の会話が楽しい」は小学生73.5%、中学生64.0%、「親に何でも相談できる」32.3%と18.1%、「自分を信じてくれている」26.2%と19.1%のようにその違いが見られる。これらの比率が中学生に低くなるのは、親よりも友だち関係が大事な年齢になってきていることが影響しているものと考えられる。 (3)家庭が楽しいかと、夕食後の過ごし方 さらに、家庭環境や親子関係が子どもたちにどのような影響を与えているかを、「夕食後の過ごし方」から見てみたい。 その結果、「家庭が全然楽しくない」と「家庭がとても楽しい」とを比較して大差があったのは、「家族で話などする」と「パソコンやメールをする」の2項目である(添付資料の表3)。 「家族で話などする」については、「家庭が全然楽しくない」8.9%に対して「家庭がとても楽しい」は55.9%に、「パソコンやメールをする」は、「家庭が全然楽しくない」45.5%と「家庭がとても楽しい」23.6%のようになり、家庭が楽しいと答える子どもは夕食後の家族との会話時間が圧倒的に長く、一方、家庭が楽しくないと答える子どもは食後すぐに自分の部屋に行ってパソコンやメールをしている様子がうかがえる。それは、親から少しでも早く離れたい気持ちの表れとも考えられる。 br> 添付資料:表1〜表3 |
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参考文献 ・川村学園女子大学子ども研究会「子どもたちの日常行動や親子関係、各種体験等に関する調査」(平成19年6・7月調査) |
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