生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2007(平成19)年1月24日
 
 

社会教育行政と連携 (しゃかいきょういくぎょうせいとれんけい)

cooperations between the social educational administration and other organization
キーワード : 社会教育行政、連携、ネットワーク、コスト削減
佐久間章(さくまあきら)
3.事業推進の課題
  
 
 
 
  1)コーディネートは、だれが担うのか。
 コストの削減・縮小を図る社会教育事業を実施するためには、近隣市町村の連携・ネットワークの構築が鍵となる。そこで問題となるのが、隣接市町村の連携・ネットワークをコーディネートする役割をだれ(どの組織)が担うのかということである。
 北海道においては、各教育局(事務所)所管エリア毎に市町村の社会教育関係職員からなる社会教育主事会が組織されており、コストの削減・縮小を図る連携・ネットワーク事業の推進にコーディネーターとして一定の役割を担っていると考えられる。
 こうした各市町村の生涯学習・社会教育担当者からなる組織が、コーディネーター役を担うことが理想である。しかし、既存の組織がない場合においてもコーディネーターとしての役割をどこが担うのかということについては、明確にしておくことが大切である。
2)成果が共有できる連携・ネットワーク
 コストの削減・縮小を図る事業は、事業主体となる市町村・団体等の目的の共有があって具現化されるものである。コスト意識のために、本来の目的が歪められるようなことがあってはならない。また、成果についても、享受できることが重要である。成果が一方にだけもたらされるのであれば、持続的な取組には至らない。双方に成果がもたらされてこそ、持続性が確保されるといえる。
3)市町村の有する個別な地域課題に如何に対応するのか。
 連携・ネットワークによる取組は、当然広域的な事業展開になることから、市町村が有する個別な地域課題への対応がおろそかになるのではないかと言う懸念がある。しかし、あくまでもコストの削減・縮小を図る事業は、各市町村の生涯学習・社会教育事業の中で、目的を共有化できる事業を連携・ネットワークにより、コストの削減をめざすものであり、市町村の有する個別な地域課題に対応した事業に優先するものではない。
 こうした事業で、削減したコストを地域課題の解決を図るための事業に投入し、より一層の充実を図るなど、両輪として位置づけ相乗的に効果を生み出す展開が必要である。
 
 
 
  参考文献
・佐久間章「連携・ネットワークによる効率的な社会教育行政の推進−北海道におけるコストリダクション事業の類型−」『社会教育』(財団法人全日本社会教育連合会)、2007年1月号(727号)
 
 
 
 
  



『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。
<トップページへ戻る
 
       
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved.