登録/更新年月日:2007(平成19)年1月24日 |
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連携・ネットワークを効果的に活用し事業展開することによるコスト面における効果については、前述1の通りである。しかし、こうした取組は、コストの削減のみにとどまらず、今日の社会教育行政が抱える課題の解決への糸口となりうる可能性も期待できる。 1)参加者の広域的な交流 連携・ネットワークによる事業の実施は、市町村個々に住民を対象として実施する事業に比べ、市町村という垣根を越えたより広域的な参加者の交流を図ることができる。一部の地域では、過疎化による人口減少が問題とされる中で、広域的な交流促進が図られるというメリットは大変重要である。特に、少子化により、地域における子どもの数が減少する中、これまでのように地域社会の中で、子ども同士が、切磋琢磨し社会性を育みながら成長していくということが困難となっている。同年齢や異年齢の子どもたちの社会集団を構成することができないということは、コミュニケーション能力や社会的スキル能力の低下など、子どもの社会性の形成を一層難しくする。こうした憂慮すべき状況に、広域的なエリアの青少年が交流することができる事業は、青少年にとって絶好の機会といえる。 2)社会教育主事の資質向上 社会教育主事は、社会教育法において「社会教育を行う者に専門的技術的な助言と指導を与える」とされている。また、教育公務員特例法においては、専門的教育職員と規定されている。今日のような変化の激しい社会状況下において、社会教育行政がその役割を果たす上で、これまで以上に社会教育主事へ寄せる期待は大きい。社会教育主事としての専門性を高め、如何にして資質向上を図っていくかと言うことが課題となっている。職場を離れて指導者対象の研修会等へ参加することは、自治体の財政状況の厳しさから以前のように容易なことではなく、社会教育主事としての知識・技術を磨くのは、専ら自己啓発に委ねられているのが現状である。また、教育委員会に配置される社会教育主事も一人あるいは二人という状況では、社会教育主事が相互に切磋琢磨するという環境からもかけ離れたところにあるといわざるを得ない。コストの削減・縮小を図る連携・ネットワーク事業は、複数の市町村の社会教育関係職員が、共同で事業の企画・運営にあたることから切磋琢磨できる環境を生み出すことに繋がる。経験の浅い社会教育主事が、ベテラン社会教育主事とともに事業の企画・運営に参画することは、OJTによる実践的な研修の場ともいえる。 br> |
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参考文献 ・佐久間章「連携・ネットワークによる効率的な社会教育行政の推進−北海道におけるコストリダクション事業の類型−」『社会教育』(財団法人全日本社会教育連合会)、2007年1月号(727号) |
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