生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日
 
 

青年団体−中央青少年団体協議会・青年団・修養団− (せいねんだんたい−ちゅうおうせいしょうねんだんたいきょうぎかい・せいねんだん・しゅうようだん−)

キーワード : 青少年団体、青少年教育、中青協、日本青年団協議会、SYD青年部
内田忠平(うちだただひら)
2.青年団−日本青年団協議会
 
 
 
 
  【特徴】
 「若さ」で地域をデザインしよう!それが青年団、というのがよく特徴を表している。
 青年団とは、地域を基盤とした自主的な青年の集まり。小学校区や中学校区など、そこに住んでいる青年なら誰でも入れる組織で、年齢制限はないが、一般的に中学・高校を卒業してから、30歳くらいまでの青年が参加している。スポーツで汗を流したり、お祭りを仕切ったり、ボランティア活動をしたり、その地域の実情にあった多様な活動を展開。また平和運動や環境保護など、社会に目を向けるこだわりもたくさんあり、各地域青年団には個性あふれる独自の活動がある。
【説明】
 青年団のルーツは、鎌倉時代に遡るといわれている。当時、若者たちは自分たちの住む地域の行事や氏神の祭を行うための集団を形成し、同時に若者たちは地域ごとに寝食を共にしながら、仕事の教育・訓練を受けるための宿を開いた。これら「若衆組・若連中」、「若衆宿」と呼ばれるものが、青年団の原形といえる。明治維新を迎えて若者制度は一時消滅したが、その後明治政府の指導で青年の修養機関として、青年会が各地に設立されるようになった。
 昭和に入り、時代は暗い戦争へと進んでいく。荒廃した自分たちの地域を目の当たりにし、「戦争はもうイヤだと」誓いながら新しい時代への希望を胸に、青年団を自主的に再建していった。こうした青年団の平和への願いは、いまでも脈々と受け継がれている。
【動向】
●このマチが好きだから・・・
 自分の住む地域をより良くしたい・・・。若者が生き生きとした姿がみられる地域は魅力的である。最近では、大人と子どもをつなぐ役割として、青年団が子どもたちを集めた活動を展開している。地域の次の時代を担う子どもたちの先輩役として青年団員が奮闘している。このほか、いろいろな地域の課題と正面から向き合いながら、若者の代表として青年団は活動している。それは自分の住むこのマチが好きだから・・・。地域をより良くすることは、自分の暮らしをより豊かにしていくこと。若い力で地域を活性化して行こう。
●地域から拡がる仲間づくり
 「語り合うこと」を青年団は大切にしている。メンバー一人ひとりの抱えている仕事や恋愛の悩みを共有したり、地域社会の問題から、地球規模の問題までを若者の視点から幅広く語り、学ぶ・・・。そしてその実践の中から、信頼関係を強めてきた。青年団は各地域単位団だけでなく、道府県(連合会)そして全国(連合会)につながる組織を持っている。様々な活動を通じ仲間づくりが無限に拡がり、そこには無数のドラマが待っている。
●青年団の拠点:日本青年館
 日本青年団協議会は、緑に囲まれた東京・神宮外苑の日本青年館にある。
 日本青年館は大正14(1925)年に開館した。大正の初期全国の青年団員の勤労奉仕によってつくられたが、その精神を後世に伝え残し、青年の研修の場を設けようというのが、日本青年館の意図であった。建設にあたっては、全国の青年団員が当時の額でひとり1円拠金運動を起こして、資金を調達した。従って、日本青年館は単なる一建造物にとどまらず、全国の青年団を育成していくこという使命をもつ財団法人となっている。
 半世紀を経て建物が老朽化したため近代的なニーズに対応した現在の日本青年館が昭和54(1979)年に完成した(しおり、パンフレットより)。
 
 
 
  参考文献
・日本青年団協議会「日本青年団パンフレット」日本青年団協議会、2005年
・(財)日本青年団協議会URL:http://www.dan.or.jp/
 
 
 
 
 



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