登録/更新年月日:2010(平成22)年1月7日 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
中央教育審議会初等中等教育分科会平成13(2001)年12月6日配付資料「チャーター・スクールに対する評価」によると,CSの評価は賛否分かれるところである。「肯定的評価」としては,@独自の理念に基づく指導,A少人数での学校運営,B学力の維持・向上,などが挙げられる。 一方,「否定的評価」としては,制度上の問題点と制度運用上の問題点があり,制度上の問題点としては,@学校閉鎖による教育的混乱,A公財政(学校運営費)運用上の問題点,B教育水準の低下に対する懸念,が挙げられている。一方,制度運用上の問題点としては,@運営方針の混乱,A一般の公立学校との摩擦,B更新手続きにおける厳正な評価の欠如,C人種分離に対する懸念,が挙げられている。 CSには高割合で低所得家庭の子弟や英語に障害を持つ生徒を入学させながらも,高い評価を残している。とりわけ,学習に障害を持つ子どもに対してその真価を発揮している。CS特有の独自の教育理念・指導方法を提供している点などが評価されているものと思われる。CSに通学している生徒によると,以前に公立学校・私立学校に通っていたころと比べて教師に対する評価も60%以上高くなり,授業に対する意欲も半数が,良くなったとしている。とりわけ,(少人数の)「クラスサイズ」,「教師の生徒への目配り」,「学校の規模」,「授業の質の高さ」,「父母の参加」,「カリキュラム」,「生徒への補助」,「学究的雰囲気」,「開かれた学校」の各側面で60%以上の父母が以前の公立・私立の学校よりも高い満足度を示している。また,CSに対する満足度しては「父母の参加機会の多さ」,「クラス・サイズ」,「カリキュラム」,「学校規模」,「教師の各生徒への目配り」,「生徒の学業」,「開かれた学校」,「父母への学校からの期待」,「授業の質の高さ」の各側面で実に95%〜80%の父母が満足している。 Hudson Instituteの1996年レポートでは,CSについて次のように結論付けている。 @CSは現在のアメリカの教育における最も強力な振動力をもつ。 Aこの動きがどれほど大きくなっていくか誰にも予測がつかないが,CSへの需要に対して供給が追いつかない状況である。 BCSの教育的効果を短絡的に評価することはできないが,肯定的証拠がどんどん増えていることは確かである。 CCSの魅力として,適正な規模,明確で焦点化された指導任務,過度の束縛や抑制からの開放,生徒・教員・保護者のすべてがそれを選択している事実,などが挙げられる。 DCSは通常の学校ではほとんど与えられない事がらを必要とし,求める者たちのための避難所となっている。 ECSにおいても,本格的な教育改革が起こりつつある。 FCSは今日一句における説明責任のうちで最も必要とされている原形を創り出している。 GCSは型にはまった公立学校というよりも,むしろ,市民社会における自発的な機関として公共に奉仕している。 これらの評価を考慮に入れながら今後のCSの方向を見定める必要があろう。これらは,日本における教育制度を見直す上でも大変貴重な視点になろう。 br> |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
参考文献 ・Finn Jr.,C.E. et.al. Charter Schools in Action - What Have We Learned?- Hudson Institute, USA, 1996. ・中央教育審議会初等中等教育分科会平成13年12月6日配付資料「チャーター・スクールに対する評価」 |
|||||||||||||
『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。 |
|||||||||||||
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved. |