生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2010(平成22)年1月7日
 
 

アメリカのチャータースクール (あめりかのちゃーたーすくーる)

charter schools in the United States
キーワード : チャータースクール、アメリカ、教育制度
中村正之(なかむらまさゆき)
2.チャータースクールの現状
 
 
 
 
   2008年現在,全米で4,519校のチャータースクール(以下,CS)があり,1,221,179名の生徒が在籍している。1校当たり,およそ270名が在籍していることになる。中でも開校数の多いのがカリフォルニア州(790校,238,593名在籍),アリゾナ州(504校,112,073名在籍),フロリダ州(419校,106,270名在籍)などである。
 アメリカのCS法にはStrength Laws(強い法)と Weak Laws(弱い法)があり,前者によると,入学する生徒の数や条件に制限がなく,学校設立に当たっての認可者が州や学区の代表者だけでなく大学や市町村長などにもその権限が与えられていて,設置しやすいということがある。一方,後者は,入学する生徒数や条件の制限があり,認可者も限定されており,設立にも時間がかかることになる。カリフォルニア州やアリゾナ州などは前者の法律に基づいて設置認可がなされることもあり,設置数が多いものと考えられる。それに対して,ミシシッピ州には1校しか認可されたCSがなく,これはWeak Lawsによるものと考えられる。
 アメリカでは,教育に関する権限は州にあり,CSに関する制度は週によって異なるが,およそ以下のとおりである。(中央教育審議会初等中等教育分科会平成13年12月6日配付資料「アメリカ合衆国のチャータースクールについて」から抜粋。)
・設置者…地域団体,親,教員等。
・運営・無償制…公費による運営。授業料なし。
・チャーターの更新等…州,学区と設置者との間で児童生徒の学力との改善に関する契約を結ぶ。十分な成果が上がっていない場合にはチャーターを取り消されることもある。
・規制の免除…多くの法令・規則の適用が免除されるあめ,独自の理 念・方針に基づく教育が可能になる。教員免許を持たない者もフルタイムの教員になることが可能。
・選択制…学区を越えた児童生徒を集めることが可能。
・無選抜制…原則としてすべての希望者を受け入れる。
 2008年現在,全米の公立学校数はおよそ90,000校ある。一方,CSは4,519校で,その割合はおよそ5%である。また,公立学校の在籍児童生徒数はおよそ5,000万人,CSに在籍する児童生徒はおよそ120万人で,その割合はおよそ2.4%になる。
 CSで提供されているカリキュラムとしては,大学準備,基礎学力(読み・書き・そろばん),芸術,科学・数学・テクノロジー,バイリンガル,職業教育等がある。
 添付資料:アメリカのチャータースクール数(2008)
 
 
 
  参考文献
・秋山真由「新しいタイプの学校づくりをめざして−日本にチャータースクールは必要か−」常磐大学コミュニティ振興学部2007年度卒業論文。
・中央教育審議会初等中等教育分科会兵営13年12月6日配付資料「アメリカ合衆国のチャータースクールについて」
 
 
 
 
 



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