生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2014(平成26)年12月25日
 
 

近江八幡市の学校支援地域本部事業 (おうみはちまんしのがっこうしえんちいきほんぶじぎょう)

school support area headquarters work in Omihachiman-city
キーワード : 学校支援地域本部、学校支援地域コーディネーター、生涯学習、学習成果の活用支援、学校・家庭・地域の連携
安部耕作(あべこうさく)
1.近江八幡市の学校支援地域本部事業の概要
  
 
 
 
  【定義・説明・動向】
 近江八幡市の学校支援地域本部事業は、平成21(2009)年度に3小学校・1中学校で始まり、平成26(2014)年度には全市立12小学校と全市立4中学校のうち3中学校、全市立11幼稚園・子ども園のうち6幼稚園に拡充している。各校園には学校支援地域コーディネーターが1名ずつ配属され、それを統括する学校支援地域コーディネーターが近江八幡市教育委員会生涯学習課に1名配属されている。学校支援地域本部事業を受託する幼稚園・小中学校には、学校・園との意思疎通を図るために、必ず学校・園内に1名の学校支援地域コーディネーターが配属され、複数校を兼務することはない。
 近江八幡市では、各学校・園が自発的に学校支援地域本部事業を受託しており、近江八幡市教育委員会から各学校・園に受託を依頼していない。自発的に各学校・園が受託する中で、ほぼ全ての市立幼稚園・小中学校が学校支援地域本部事業を実施している。学校支援地域コーディネーターは、各学校・園からの推薦に基づき選出している。課題の多い学校・園は退職教員、一般市民の目から学校と地域をつないでほしいと考える学校・園は一般の方を学校支援地域コーディネーターに推薦する等その学校・園に必要な活動ができる人材を学校・園が選んでいるので、学校支援地域コーディネーターはその学校・園が必要とする活動を展開している。
 近江八幡市教育委員会が平成26(2014)年11月5日に学校支援地域本部事業を実施している小中学校15校(小学校12校、中学校3校。幼稚園には調査は行っていない)に対して行った調査結果によれば、学校支援地域本部事業の取組み内容は、「教科等学習支援」(回答学校数14。以下、()内数値は回答学校数)、「図書読み聞かせ」(14)、「学校行事の運営支援」(14)、「図書室整備」(11)、「学校園・花壇等の整備」(11)、「登下校見守り」(8)、「校庭の剪定・校地草刈」(7)の順に多い。「教科等学習支援」の中味は、「家庭科・被服実習」(14)、「総合的な学習」(13)、「家庭科・調理実習」(9)、「校外学習の引率補助」(5)、「体育科・水泳実習」(4)の順に多い。「総合的な学習」の内容は、環境学習や郷土学習が多い。学校支援地域本部事業の取組み内容は、家庭科や総合的な学習等の「教科等学習支援」、花壇整備や草刈等の「環境整備」、図書室整備や読み聞かせといった「読書支援」が主となっている。
 地域ボランティア数は、小中学校15校で3,674人である。主な特徴は、農村部に立地する学校の地域ボランティア数が多く、中学校より小学校の方が地域ボランティア数が多いということである。農村部に立地する島小学校は、全児童数(平成26(2014)年5月1日現在。児童・生徒数は以下、同じ)は96人、登録地域ボランティア数は590人(平成25年度延人数。登録地域ボランティア数は以下、同じ)である。新興住宅地に立地する金田小学校は、全児童数は983人、地域ボランティア数は220人である。八幡中学校は、全生徒数は572人、地域ボランティア数は134人である。
 
 
 
  参考文献
・安部耕作「持続可能性に視点を置いた生涯学習の推進−滋賀県近江八幡市の学校支援地域本部事業を軸とした事例−」『日本生涯教育学会年報第34号』日本生涯教育学会、平成25年
 
 
 
 
  



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