生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日
 
 

社会教育施設における情報通信機器・視聴覚教育設備 (しゃかいきょういくしせつにおけるじょうほうつうしんきき・しちょうかくきょういくせつび)

infrastructure improvement and utilization of ICT/A-V media in facilities for social education
キーワード : 学校及び社会教育施設における視聴覚教育設備状況調査、教育メディア、情報通信機器、ネットワーク接続、教職員研修
吉田広毅(よしだひろき)
1.社会教育施設における視聴覚教育設備の状況調査
  
 
 
 
  【定義】
 全国の公立の学校及び社会教育施設を対象に、視聴覚教育設備等の整備状況を把握し、今後の施策の参考にすることを目的として3年に一度実施されている調査のこと。
【背景】
 昭和44(1969)年に文部省社会教育局視聴覚教育課(現:文部科学省生涯学習政策局参事官(学習情報政策担当)付)により、最初の「学校及び社会教育施設における視聴覚教育設備状況調査」(以下、状況調査と略す)が行われた。これは、全国の公立の学校及び社会教育施設を対象に、各施設の視聴覚教育設備等の状況を把握し、今後の施策の参考にすることを目的として実施されたものである。その後、昭和47(1972)年に第2回の調査、昭和52(1977)年に第3回の調査、昭和56(1981)年に第4回の調査が行われ、以降3年毎に調査が実施されてきた。
 この状況調査では、視聴覚教育メディアの状況の変化に対応して、調査内容も改正されてきた。特に、状況調査では普及の途上にある、新たな教育機器・設備の整備と利用の状況を把握するのに努めてきた。例えば、昭和44(1969)年度の調査ではビデオテープレコーダーの、昭和56(1981)年度の調査ではコンピュータの、平成13(2001)年度の調査ではDVDプレーヤーや大型ディスプレイ等の普及状況が新たな調査項目として加わった。コンピュータについては、文部科学省初等中等教育局による「学校における情報教育の実態等に関する調査」との関わりから、平成13(2001)年度の状況調査で一時、調査項目から外された。しかし、近年問題となっている情報化の影の部分への各施設の対応状況を把握するため、平成16(2004)年度の調査ではコンピュータを中心とした情報通信機器の整備と利用の状況が調査された。
 また、平成16(2004)年度の状況調査では、従来調査されてきた視聴覚教育に関わる設備・機器や教材の整備状況を調査するだけではなく、その利用状況をもみることとした。これは、各学校・施設にただ教材、機器が導入されるだけでは十分ではなく、いかにそれが有効活用されるかが問題となるからである。また、教材、機器の有効利用に欠かすことのできない教職員の技能の状況と、その向上を図るために必要な研修の状況が調査された。さらに、新たに「学校における教育用放送の利用状況」、「社会教育施設におけるネットワーク接続環境」、「社会教育施設における職員のIT技能等に関する状況」「社会教育施設におけるIT(情報モラル)関連の講座の開講状況」の調査が行われた。
 
 
 
  参考文献
・文部省社会教育局『学校及び社会教育施設における視聴覚教育設備の状況調査 報告書』文部省、1972; 1977; 1981; 1984; 1987年
・文部科学省初等中等教育局『学校における情報教育の実態等に関する調査』文部科学省、2003年
・文部省生涯学習局『学校及び社会教育施設における視聴覚教育設備の状況調査 報告書』文部省、1990; 1993; 1996; 1999年
・文部省生涯学習政策局『学校及び社会教育施設における視聴覚教育設備の状況調査 報告書』文部科学省、2002; 2005年
 
 
 
 
  



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