登録/更新年月日:2005(平成17)年9月14日 |
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【定義】 エル・ネット(教育情報衛星通信ネットワーク)は平成11(1999)年6月に、文部科学省(当時は文部省)が立ちあげた衛星回線を使った教育専用ネットワークである。エル・ネットの名称は、”education”と”learning”の頭文字をとって”el-Net”と名付けられた。 【説明】 このネットワークシステムは、赤道上空3万6千キロにある静止衛星を介し、VSAT(Very Small Aperture Terminal)というしくみを使った通信システムである。VSATとは、超小型地球局のことを言い、そこで使われるパラボラアンテナは、主に0.7〜2.4mのものが使われ、それまでの約10mにくらべ、非常に小さなものになっている。このシステムでは、毎秒6メガバイトという通信速度により、通常のテレビ放送並の動画像を送受信できる。そして、地球局を制御するHUB局に資格を持つ無線従事者を置けば、他のVSAT地球局には無線従事者をおかなくても送受信でき、比較的容易に運用できることがメリットである。 【エル・ネットの概要】 文部科学省では全国の公民館、図書館、博物館をはじめとする社会教育施設及び学校や教育委員会等に受信局信設備を導入するとともに、都道府県指定都市の教育センター等、国立教育会館(本館、社会教育研修所)、国立科学博物館、国立オリンピック記念青少年総合センターにVSAT地球局(以下VSAT局)設備を、国立教育会館学校教育研修所(つくば)にHUB局設備を導入し、エル・ネットを整備した。 エル・ネット(衛星通信)の特徴として、次の点があげられる。 ア.広域性−離島や遠隔地などを含めた広い地域をカバーできること イ.同報性−同じ内容の情報を多数の地点に同時に送信できること ウ.ネット構築の容易さ−パラボラアンテナと受信設備を設置するだけでよい エ.広帯域性−動画像などの大容量データの送信が可能 オ.対災害性−地震等の災害による影響を受けにくいこと また、エル・ネットでは3つの送信形態により、情報発信を行うことができた。 ア.放送 動画や音声等を受信局に向け一斉に送信することであり、受信局では、通常のテレビ放送を視聴するのとほぼ同じ画像が視聴できる。放送番組は、HUB局、VSAT局から送信できる。また、2〜3チャンネルを使い、複数のVSAT局からの送信による2元中継番組や、多地点双方向による番組も可能である。 イ.イントラネット送信(コンテンツ配信システム) 受信局からインターネットを通して、サーバーを装備しているVSAT局(文部科学省)にアクセスし、蓄積されている情報を要求することで、衛星回線を通して送信してもらうことができる。受信局ではパソコンで情報を得る。 ウ.一斉データ送信 番組スケジュール表や、文書や情報を各受信局等に一斉に送信する方法である。文部科学省から送信され、受信局ではパソコンで情報を得る。 エル・ネットで提供されている放送番組には主に以下のものがある。 ○子ども放送局 ○エル・ネット「オープンカレッジ」 ○エル・ステップ(教職員研修番組) ○文部科学省ニュース ○文部科学省主催の各種会議・説明会 ○緊急性の高い教育上の課題への対応 ○各道府県等からの発信 br> |
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参考文献 エル・ネットについて(http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/elnet/index.htm) ・文部省生涯学習局学習情報課「新しい情報通信を活用した『エル・ネット』とは」視聴覚教育、(財)日本視聴覚教育協会、第54巻5月号、2000年 ・「衛星通信教育の基本―システムと運用―」(財)衛星通信教育振興協会、2001年 |
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