生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2013(平成25)年12月23日
 
 

北海道家庭教育サポート企業等制度 (ほっかいどうかていきょういくさぽーときぎょうとうせいど)

キーワード : 社会教育行政と企業等との連携、家庭教育支援
濱中昌志(はまなかまさし)
1.制度の概要
  
 
 
 
  (1) 制度立ち上げの経緯
 本制度が求められた背景としては、深刻化する少子高齢化問題や次世代育成などの社会課題を解決することを目的に制定された「次世代育成支援対策推進法」ならびに「少子化対策基本法」の施行がある。この法律制定を受け、北海道教育委員会が、家庭教育支援をより一層推進するためには、企業等の理解や協力が不可欠であるとの認識から、行政側が率先して企業との協定を結ぶ新たなアプローチ方法として平成18(2006)年9月6日から制度が開始された。
(2) 制度の目的
 家庭教育支援をより一層推進するため、行政と企業等が協定を結び、相互に協力して社内の従業員はもとより、地域住民に対して学校教育や社会教育への参画を促すとともに、企業として家庭教育を支援するための職場環境づくりを促進することを目的としている。
(3) 制度の内容と方法
企業等と教育委員会のそれぞれが、家庭教育支援のために具体的に取り組む内容は以下の通りである。協定を締結する上での形態は、要綱で定められており、家庭教育サポート企業としては、以下の取組アからエの中から1項目以上、オおよびカの中から1項目以上を自ら設定し、実施することとしている。
 【企業等の取組】
ア.子育てについての従業員研修を実施することや、家庭教育に関する資料等を掲示など、職場の子育て環境づくりの取組。
イ.地域の子どもを企業等に招き、従業員が働く姿を見せたり、従業員の仕事を体験させたりするなど、職場見学や職場体験を実施する取組。
ウ.企業等が取り組む社会貢献活動に従業員が家族ぐるみで参加するなど、地域行事への協力や支援を行う取組。
エ.従業員が参観日等の学校行事に参加するための有給休暇を優先的に取得させるようにするなど、学校行事への参加促進を行う取組。
オ.従業員の家庭において、子どもが早寝、早起きをし、親子で朝ごはんをとるように働きかけを行うなど、子どもの基本的生活習慣を身に付けさせる取組。
カ.従業員に対して毎月第3日曜日の「道民家庭の日」を啓発するとともに、家族の団らんの日として、職場の行事等の実施を控えるようにする取組。
【北海道教育委員会からの企業等に対する支援】
ア.協定締結企業等の家庭教育に関する取組を教育委員会が所管するホームページに掲載。
イ.家庭教育に関する啓発資料を協定締結企業等に配布。
ウ.協定締結企業等が従業員のために開催する講演会に講師を派遣。
(4) 制度の運営
運営の主体は、北海道教育庁生涯学習推進局生涯学習課社会教育・読書推進グループである。本グループが中心となり、協定締結企業の社名や取組概要を北海道教育委員会のホームページへ掲載するなどしている。また、家庭教育に関する啓発資料の配布、従業員のために開催する講演会への講師派遣などを行い、その活動を支援している。さらに、広報や啓発を促進するため、優良事例等を紹介する「家庭教育サポート企業だより」の作成や、サポート企業相互の情報交流会の開催なども担っている。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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