生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2010(平成22)年12月1日
 
 

高校のボランティア活動支援体制 (こうこうのぼらんてぃあかつどうしえんたいせい)

キーワード : 高校生、部活動、生徒会、振り返り、社会教育施設
林幸克(はやしゆきよし)
2.ボランティア活動の定着・拡大のための視点
 
 
 
 
  1)活動記録
 生徒がボランティア活動に取り組んだ際に、その内容や時間などを記入する様式(ボランティア・パスポートや活動記録用紙等)があるか聞いたところ、「ある」19.5%、「ない」80.5%で、8割以上の学校には所定の様式がないことがわかった。属性に着目すると、「単位認定」と「設置形態」に関して有意差があった。「単位認定」では、「認定している」学校では7割以上の学校で所定の様式があり、「認定していない」学校とは60ポイント近い開きがあった。「設置形態」では、「ある」に関して「私立」が20%を超えるのに対して、「市区町村立」は5%に満たなかった。
 また、生徒のボランティア活動に関する報告書等を作成しているか複数回答で聞いたところ、「作成していない」59.3%が最も多く、以下、「部活・クラブで作成している」18.3%、「学校全体で作成している」17.1%、「生徒会で作成している」11.6%であった。つまり、約6割の学校では作成しておらず、作成している場合は部活・クラブや学校全体での作成で2割弱に留まっていることがわかった。属性に着目すると、「学校全体で作成している」では、「単位認定」と「設置形態」で有意差があった。「認定している」学校では5割以上が作成しており、「認定していない」学校とは40ポイント近い開きがあった。「設置形態」では、「都道府県立」と「私立」が2割近いのに対して、「市区町村立」は10%に満たなかった。「部活・クラブで作成している」では、「単位認定」と「設置形態」で有意差があった。「単位認定」では、「認定していない」学校が約2割で、「認定している」学校とは10ポイント以上開きがあった。「設置形態」では、「私立」が2割を超えるのに対して、「市区町村立」は1割強で10ポイント以上の開きがあった。
2)活動の場
 学校教育の一環としてボランティア活動に取り組む際、高校生が地域社会のどのような施設・機関で活動しているのか、複数回答で聞いた結果、「高齢者施設」61.3%、「障害者施設」41.1%、「保育所」37.0%、「社会福祉協議会」34.1%、「幼稚園」25.6%、「特別支援学校」22.8%が比較的多かった。
 「高齢者施設」では、「学校タイプ」に関して、「進路多様校」が68.6%であるのに対して「専門校」が54.1%で約15ポイントの開きがあった。「障害者施設」では、「設置形態」に関して、「私立」が54.8%であるのに対して「都道府県立」が35.8%で約20ポイントの開きがあった。「保育所」では、「単位認定」に関して、「認定している」が50.4%であるのに対して、「認定していない」は35.3%で約15ポイントの開きがあった。「設置形態」について、「都道府県立」が39.7%であるのに対して、「私立」は29.1%で10ポイント以上の開きがあった。「幼稚園」では、「単位認定」に関して、「認定している」が37.6%であるのに対して、「認定していない」は24.1%で15ポイント近い開きがあった。「学校タイプ」について、「進路多様校」が33.9%であるのに対して「専門校」が23.1%で10ポイント以上の開きがあった。「特別支援学校」では、「単位認定」に関して、「認定している」31.6%であるのに対して「認定していない」21.9%で約10ポイント開きがあった。
 
 
 
  参考文献
・林幸克「インターアクトクラブに関する基礎的研究−愛知県におけるインターアクトクラブ協議会と名古屋インターアクトクラブの事例−」名古屋学院大学論集社会科学篇、第46巻第3号、2010
・林幸克「部活動における生徒指導の意義と課題−桜花学園高等学校インターアクトクラブの実践事例に基づく考察−」岐阜大学教育学部研究報告人文科学、第59巻第1号、2010

 
 
 
 
 



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