登録/更新年月日:2006(平成18)年11月25日 |
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ア.高等教育 大学等では従来、専門学校や一部の短大を除いて、直接に職業能力養成を志向した教育活動はあまり行われてこなかった。しかし、近年、社会や学生のニーズに対応して、大学教育と社会産業との連携が強く意識された改革が進んできている。ビジネス・スクールやロースクーなど高度な職業人養成を目的とする「専門職大学院」制度が創設され、大学院や学部で職業を持つ社会人などを対象にリカレント教育を実施する専攻やコースができている。正課の中で、ビジネス・起業に関する科目が開講されたり、企業等でインターンシップが実施され、その活動の成果が大学で単位として認められたりもするようになっている。また、大学にはキャリア・センターなどが設置され、専任の教職員が配置され、就職指導や斡旋、職業資格取得の支援などが幅広く展開されるようになってきている。 イ.初等・中等教育 初等教育段階の学校では、社会科、道徳、特別活動などを通して、勤労観・職業観を育成することが基本となる。最近では、PTAや地域の人々の協力を得て、学校で、様々な職業や仕事の話を聞いたり、実際に職業の一部を体験したりすることが行われるようになっている。教育委員会によっては、地域の様々な施設で、ボランティア体験や職業インターンシップを行う事業が計画されるところも出てきている。専門高校にあっても、職業の多様化や生徒の興味関心の広まりに応じて、様々な専門領域をカバーする新しい学校・学科もできている。産業デザイン科、国際情報ビジネス科、マリン開発科など特色ある新しい学科やコースも数多く設置されている。また、高等学校の中には、普通教育・職業教育の多数の授業科目を用意し、生徒の選択により自分なりのカリキュラムを編成させる「総合学科」の創設も各地域で相次いでいる。高等専修学校は、後期中等段階の専修学校であり、中学校卒業者に専門的な技術の基礎教育が施すこととしているが、残念ながら十分な学校規模に育っていない。 ウ.社会教育 生涯学習推進の理由の一つに、「時代や社会の変化に伴って生ずる、新たな知識や技術の習得という人々の学習ニーズに応えること」が挙げられるが、社会教育の分野においては、一般に、趣味・教養・娯楽などといった分野にかなり偏って学習機会の提供が行われており、「職業知識・技術の向上」関連の学級・講座は必ずしも多くない。最新の社会教育調査では、全体の事業の6%程度に過ぎない。女性関連施設では「女性のための起業講座」などが行われることもあるが、広がりはあまりない。社会教育法では、勤労の場における教育を含めて社会教育の範疇とされるものの、この面での取り組みは、従来からあまり行われていないのが現状である。今後、社会教育においては、職業や地域活動を担うことのできる能力を開発・育成するための事業のいっそうの推進が重要な課題となっている。 br> |
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参考文献 |
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