生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日
 
 

青少年とキャンプ (せいしょうねんときゃんぷ)

キーワード : キャンプの形態、心身ともの開放、非日常の生活や体験、遊び感覚の学び、組織キャンプ
渡辺武和(わたなべたけかず)
2.キャンプの特徴と青少年への効果
 
 
 
 
  【キャンプの特徴】
 キャンプの形態に関係なくキャンプが持つ普遍的な特徴に沿って、青少年にとってどのような効果が期待できるのか説明する。
1)「心身ともの解放」
 キャンプでの生活は、参加者にとって心身ともに日常生活から開放されたものとなる。日常生活に捕らわれることなく、個人の興味や関心を十分に発揮した生活や活動などが行いやすいのがキャンプの大きな特徴である。
 現在の青少年は、日常生活や人間関係などが複雑となり、心身ともに制限や抑圧を受けながら生活を送っている。キャンプに行くことで一時的であれ、このような日常生活から離れ、心身ともの解放を得ることで、日常生活での気分転換、リフレッシュすることができる。
2)「非日常の生活や体験」
 キャンプ生活は、日常生活から離れた生活や活動のため、その生活全体が「非日常」と言える。この非日常の生活や体験は、日常生活ではあまりできないことに挑戦でき、自分の可能性を試す機会であり、日常生活とは違う他者との関わりや自己との出会いに結びつくものである。これらキャンプ生活で得たものが日常生活に影響する可能性は十分にある。
 生活体験の不足、人間関係の希少など、青少年の実体験の少なさが指摘されている。キャンプ生活は、そのすべてが実体験であり、体験を通しての学びの場である。そして、それらの生活や体験は、日常生活のものとは非なるものではあるが、その中で感じる可能性や出会いは、日常生活に大きく影響を与えるものである。
3)「遊び感覚の学び」
 キャンプは日常生活から離れた生活である。その生活は誰からかに評価されることは少ない。また、ルールや規則なども社会規範内において自分で自由に決めることができる。そのような生活は、遊び感覚が強く、失敗を恐れることなく何事にも挑戦できる生活となる。
 青少年は、制限の多い日常生活で気軽に何かに挑戦する機会が少ない。また、学校生活や習い事など時間に追われた生活を送っている子どもも多く、生活の中に時間的な余裕を持つ「遊び」の時間を持つことが難しくなっている。キャンプ生活は、その生活全般に遊び感覚が満ちあふれており、その生活や活動を通して様々なことを学ぶことができる実体験の学びの場である。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
 



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