登録/更新年月日:2006(平成18)年10月31日 |
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国公立の社会教育施設(以下「社会教育施設」とする)は、設置者である行政による経営が原則であるといえるが、施設の目的を能率的に果たすために行政以外の主体へ経営を委ねることも可能となっている。「経営」という表現は、施設の評価が前提となっており、施設の設置・管理・事業に関する能率化が課題として意識されているといってよい。能率化の手法として社会教育施設の経営を行政以外の主体に委ねることを経営の外部化と呼ぶことができるが、外部化を行うための方法として、独立行政法人制度とその地方版である地方独立行政法人制度、PFI(Private Finance Initiative)の活用、指定管理者制度などが存在する。 社会教育施設経営の外部化は、行政評価や財政難に伴う行政の能率化の必要性や、学習ニーズの高度化・多様化などを背景としつつ行われるが、経営方式の違いが社会教育施設の機能にどのような違いをもたらしているかに関しては、必ずしも明らかであるとはいえない。社会教育施設は、施設の設置目的はもちろん、施設の利用者として想定する学習者の主な属性、施設事業の性格などの点からみるとその態様はさまざまであり、また、同種の施設であっても社会の変化や地域の実状に応じてその役割は異なってくるため、上述の問いに対して明確な解答を導くことは難しい。しかしながら、施設経営の外部化を行った場合と行政直営の場合との違いを制度特性による違いから明らかにしたうえで、施設種別・目的別に実証的なデータを蓄積することは、社会教育施設を経営する国、地方公共団体にとって、学習者のニーズや社会・地域の必要性に応じた生涯学習支援体制の構築に貢献すると考えられる。類型化された実証的なデータの蓄積は、社会教育施設の経営主体が多様化するなかでの1つの課題であるといえよう。 br> |
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参考文献 |
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