登録/更新年月日:2016(平成28)年12月26日 |
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【説明】 本稿は、5市の「まちづくり計画」を分析し、計画策定上の特色を要約したものである。 ●市民と行政との関係(自立、共生、協働) まちづくり計画では、市民が主体となって存分に活躍することを狙っている。そのため、行政の役割は、市民のまちづくり活動の場の確保や普及啓発、団体活動や学習活動の支援などとなる。 主役としての市民は、次のようなことを実践することとしている。 ・自分でできることは、自分でする。(自立;市民一人一人が自主・自立・自律する。) ・仲間と力を合わせてできることは、仲間と一緒に行う。(共生;組織の一員として、助け合い励まし合いながら仲間と共に生きて働く。) ・行政と共に行うと効果があがることは、行政と一緒になって実施する。(協働) ●基本方針と施策の目標(市民が主役、支援は行政) まちづくり計画の基本方針や施策の目標で、共通する内容は以下の通りである。 ・基本方針は、市民一人一人が豊かな人生を生きることと地域社会の活性化を目指したまち(地域社会)づくりを目指している。 ・基本計画の目標は、市民の実践目標と行政の指針の両方となっている。 ・計画期間中に市民と行政が協働して総合的にすすめていく重点プロジェクトが設定されている。 ・生涯学習の推進体制の整備・充実の中で、「市民協働参画行政システム」を推進している。詳細は、「市民協働参画行政システム」(生涯学習研究e事典)を参照されたい。 ●基本計画の目標(行政の指針、市民の実践目標) 目標は、市民の実践目標と行政の指針としている。つまり、行政には生涯学習に関する施策を体系的・計画的・組織的に執行する指針を示し、市民には必要に応じて生涯学習活動を実践する目標(実践目標)を明示している。 ≪市民の実践目標≫ ・生活の質を高め自分らしい生きがいのある人生を目指します。 ・ひとが輝き活力あふれる家庭や学校、職場や地域をつくります。 ・私たちが学習活動に参加できにくい人々を行政とともに支援します。 ≪行政の指針≫ ・市民一人一人の生涯にわたる学習活動を市民と協働して支援します。 ・生涯学習の基盤整備を市民の参画を得て総合行政としてすすめます。 ・各行政は市民と協働するために生涯学習の観点に立って施策を展開します。 ●施策の方向と方策(市民と行政の役割の明確化) 市民と行政がそれぞれの役割を自覚し協働し易いように、市民の実践目標と行政の指針を策定し、それらを「施策の展開」に併記している。 ≪施策の方向と方策≫ 施策の方向と方策は、市民と行政が協働できるように配慮している。例えば、施策の方向を「自発的な学習活動を通して生活の質を高め心豊かな人生を送るために」と市民サイドにたち、施策の方策を「社会教育の推進」など行政側が理解できる内容・表記としている。 ≪施策の展開≫ 施策の目標には、市民の実践目標と行政の指針が併記されている。また、施策の内容は行政の事業や市民活動をあげ、担当課を明示している。例えば、家庭教育を支援する施策では、目標を「家庭教育を地域の人々が支援する活動に参画します。家庭教育を地域で支援することの大切さを広報し、地域支援団体の活動支援や学習機会を充実します。」とし、内容は「子育て支援グループ活動の促進」となり、担当課は「子ども課、生涯学習課、保健センター、公民館」ということなどである。 br> |
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参考文献 ・清水英男『市民協働型まちづくりにかかわる生涯学習振興行政』聖徳大学生涯学習研究所紀要9、2011(平成23)年 ・清水英男『市民と行政の協働をシステム化する生涯学習推進計画の研究〜さくら市の市民協働参画型行政システムの構築を中心として〜』聖徳大学生涯学習研究所紀要10、2012(平成24)年 ・矢板市生涯学習推進本部(監修清水英男)『矢板市生涯学習推進計画〔四期計画〕』矢板市生涯学習推進本部、2016(平成28年) ・清水英男『市民協働参画行政システム』(生涯学習研究e事典) |
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