登録/更新年月日:2007(平成19)年3月12日 |
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【説明】 キャンプにおける青少年の生活技術習得の特徴については、これまで行われてきた事例研究から次の(1)〜(4)のように整理される。但し、いずれもあくまでも限られた事例による仮説的なものである。 (1) キャンプで使われる生活技術習得上の問題点 キャンプにおける食事活動(野外炊事等)に限定し、その活動で使われる生活技術習得の到達度を分析すると、米の炊き方や後片づけの仕方に関する生活技術の習得は目標以上に到達しているが、食事にかかわる作業全体のうちでも最初の方で用いられるような、いわゆる準備段階の生活技術の習得は目標以下である。この原因として、キャンパーがキャンプにかかわる準備段階の技術が身についていないことや、これまでのキャンプではキャンパーができることやすべきであったことをスタッフ側で事前に準備してきていたということなどが考えられる。 (2) キャンプで使われる生活技術の習得時期と日常生活で使われる生活技術の習得時期の前後関係 キャンプで使われる生活技術の習得には、それにかかわる日常生活で使われる生活技術の習得がかかわっているのではないかと予想される。両技術の習得の関係のうち、習得時期の前後関係に限定した分析によると、キャンプで使われる生活技術の殆どがキャンプ経験約4年以内に習得され、日常生活で使われる生活技術の習得時期はキャンプ経験約3年以降に集中している。 (3) キャンプで使われる生活技術の習得と日常生活で使われる生活技術の習得にかかわる技術操作法 (2)の習得時期の前後関係の分析から、両技術に適用される技術操作法として、安全操作法、効率操作法、問題解決的操作法が析出されたが、これらは道具の有無によってそれぞれ2つに分かれるので、6タイプの技術操作法が挙げられる。 (4) キャンプで使われる生活技術の習得度とそれにかかわる技術操作法の使用度の関係 技術操作法を使えば、それにかかわるキャンプで使われる生活技術の活用に失敗することはないと考えられ、具体的にはア、イの特徴が見られる。 ア.技術操作法をいつも使用すれば、キャンプで使われる生活技術は「いつもできた」か「できたりできなかったり」のどちらかである。 イ.道具を用いる安全操作法と効率操作法の場合は、技術操作法をいつも使用すれば、キャンプで使われる生活技術は「いつもできた」になる。 【課題】 今後の課題の1つとして、キャンプ目的達成が生活技術習得に及ぼす影響を解明することが挙げられる。しかしその影響関係を捉えるためには、キャンプ目的としての意識変容と生活技術習得を繋ぐ要因の検討が必要であろう。 br> |
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参考文献 ・白木賢信「生活技術習得枠組による青少年の組織キャンプ分析」『日本生涯教育学会論集』20、pp.133-140、平成11年 ・同「青少年の組織キャンプで使われる生活技術の習得時期」『日本生涯教育学会論集』23、pp.125-132、平成14年 ・同「青少年の組織キャンプ技術と日常生活技術の習得にかかわる技術操作法の分析」『日本生涯教育学会論集』25、pp.49-58、平成16年 ・同「青少年の組織キャンプ目的達成の生活技術習得への影響」『日本生涯教育学会論集』27、pp.91-99、平成18年 他 |
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