登録/更新年月日:2007(平成19)年3月12日 |
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【説明】 青少年キャンプとは、キャンパーを青少年に限定して実施されるキャンプである。このような青少年キャンプの意義について述べると、現在の教育改革における課題の1つに青少年の学校外活動の推進があるが、キャンプはその推進にあって重要な活動の1つとなりうる。特に、自然体験が不足していると言われている現代の青少年にこのような機会を提供する意義は大きいと考えられる。 青少年キャンプの効用としては、キャンパーの意識面、行動様式面などの変容(形成も含む)をもたらすことが期待される。 意識面の変容については、主に、1)自分と自然環境の関係の認識の改善・拡大、2)自分と他人の関係の認識の改善・拡大、3)自分自身に対する認識の改善・拡大、が挙げられている。 具体的には、1)はキャンパーがキャンプに参加することによって自然環境に対する見方を変えることで、自然に関する連想が豊富になったり、気象などのさまざまな自然現象について肯定的に捉えることができるようになるなどが例として挙げられる。 2)はキャンパーがキャンプ参加を通じて他人とのかかわり方を変えることで、例えばキャンパーが所属するグループに適応するなどの社会性を身につけることなどが挙げられる。 3)はキャンパーがキャンプ参加によって自分自身に対する見方を変えることで、例えば目標を高い水準で達成しようとする動機(達成動機)を持つようになったり、課題達成のためには努力を惜しまないことなどが挙げられる。 この1)〜3)はそのまま青少年を対象とした野外教育の主目的にもなっており、多くの事例研究も行われている。 行動様式面の変容については、その1つとして生活技術習得が挙げられる。キャンプは、生活技術を使ったり習得したりしながら生活における実践的な行動の仕方を身につける機会でもあり、そのような行動の仕方が身についていないと言われる現代の青少年にとって有効であると考えられている。青少年キャンプで使われる生活技術を生活様式枠組で捉えれば、生物的機能を維持しようとするための領域に最もウエイトが置かれている。それは例えば、食事の作り方、テントの張り方、かまどの作り方、自然の中での衣服の着方などの衣食住にかかわる生活技術であり、このような技術が青少年キャンプでは多く取り上げられている。 またこの生活技術習得は、上述の意識面の変容とは異なり、青少年を対象にした野外教育の主目的になることは少なく、どちらかと言えば潜在的効用として位置づけられることが多い。 この研究については、これまでに生活様式枠組による事実発見的な事例研究が重ねられてきているが、詳しくは次の小項目で述べることにしたい(生活様式枠組については中項目「生活様式枠組と生涯学習研究」を参照)。 br> |
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参考文献 ・白木賢信「青少年の野外教育における生活技術習得研究序説」筑波大学大学院博士課程教育学研究科『教育学研究集録』第21集、pp.79-88、平成9年 ・同「青少年の野外教育における生活技術習得活動の分析枠組」『日本生涯教育学会論集』19、pp.57-66、平成10年 ・同「青少年の野外教育における体験学習の意義−組織キャンプの場合−」(浅井経子編著『生涯学習概論』理想社、平成14年、pp.192-199) |
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