生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2007(平成19)年3月12日
 
 

キャンプと青少年の生活技術習得 (きゃんぷとせいしょうねんのせいかつぎじゅつしゅうとく)

organized camp for youth and living skills learning
キーワード : キャンプ、生活技術習得、技術操作法、野外教育、青少年
白木賢信(しらきたかのぶ)
1.キャンプの種類とスタッフ
  
 
 
 
  【定義】
 最広義にはキャンプは非日常的な生活を一時的に行うことで、それにはスポーツチームがシーズン前に行う合宿生活や軍隊が行う共同生活なども含まれるが、ふつうは、野外教育の1形態として行われる組織キャンプ organized camp (教育キャンプと呼ぶこともある)のことを指す。組織キャンプとは、社会的に責任のある団体等が、何らかの教育目的を掲げ、その達成のために計画・準備等を行い、計画から実施に至るまでのスタッフの役割・責任を明確にし、プログラムを効果的に展開するための組織を作って自然の中で一時的な生活を行うことである。
【説明】
 組織キャンプ(以下、キャンプと呼ぶ)にかかわるメンバーは、キャンパーとスタッフに分かれるが、キャンパーは参加者、スタッフは指導者と呼ばれることもある。
 キャンプはその形態によりさまざまな分類の仕方があり、例えば、次のように分けることもできる。
○キャンパーの属性による分類
 幼児キャンプ、青少年キャンプ、高齢者キャンプ、不登校児キャンプ、他
○キャンプ実施期間による分類
 長期キャンプ(但し、何日以上を長期と捉える厳密な定義はない)、デイキャンプ(日帰りキャンプ)、他
○キャンプ実施場所による分類
 山岳キャンプ、海浜キャンプ、無人島キャンプ、雪中キャンプ、他
○キャンプ実施時期による分類
 夏季キャンプ、冬季キャンプ、他
○キャンプで行う宿泊の形態による分類
  固定キャンプ、移動キャンプ、他
 キャンプではスタッフ組織を作ることにより、スタッフの役割を明確にしようとしている。具体的にはキャンプディレクター、プログラムディレクター(またはプログラムカウンセラー)、マネジメントディレクター(またはマネジメントスタッフ)、キャンプカウンセラーなどである。それぞれがキャンプで行う活動は下記の通りである。またキャンパーは、多くとも10人程度のグループに分かれ、キャンプ中はこのグループ単位で生活をする。グループの中でキャンパーの役割分担がなされる場合もある。
○キャンプディレクター
 キャンプ全体を統括し、キャンプ全般にわたっての指導・管理・運営等を行う。
○プログラムディレクター
 教育目的に従って、プログラムを設定し、その運営やキャンパーの全体的な指導を行う。また、キャンプカウンセラーを統括し、彼らへの指導・助言等を行う。
○マネジメントディレクター
 キャンプ全体の総務・庶務等の仕事を行う。例えば、宿舎、給食、食糧、装備、消耗備品、交通、財務、記録、保健等である。
○キャンプカウンセラー
  キャンパーグループおよびそのキャンパーの世話をする。通常は各グループに1人ずつ置き、キャンプ全期間を通じて、キャンプにかかわる指導や助言をキャンパーに直接行うが、生活上の相談の対応に当たることもある。
 その他、医師、看護師、専門的な活動担当の講師などがスタッフに加わる場合もある。
 
 
 
  参考文献
・松田稔『ザ・キャンプ−その理論と実際−』創元社、昭和53年
・石田裕一朗・斎藤保夫編『現代野外教育概論』海声社、昭和61年
・日本野外教育研究会編『改訂 キャンプテキスト』杏林書院、平成元年
 
 
 
 
  



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