登録/更新年月日:2006(平成18)年9月11日 |
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【家庭教育と地域の教育力の定義】 家庭教育には、二つの意味がある。一つは親やこれに準じる人が子どもに行う教育であり、主として親子関係においてなされる意図的・無意図的な働きかけの総体であり、狭義にはしつけなどの意図的な教育的働きかけ、広義には家庭の生活様式や親等の行動様式や価値観等を子どもが生活の中から無意図的に体得する形成作用である。一つは育児をする親に対する教育であり両親教育といい、親が行う子どものしつけや教育についての知識や技能の学習援助活動の総称である。 地域の教育力は、広義には地域での日常生活において子どもが親や大人の生活に接することで集団の成員としてのモラルや知識、習慣、態度等を習得する無意図的な形成作用である。地域の教育力は家庭の教育力と直接的な関係をもって存在しているため、地域の教育力の衰退は家庭の教育力の衰退に連動している。狭義には地域で意図的に教育がなされる教育力で、地域の成員が共有する教育目標を子どもに意識的に教え込むことであり、家庭においてはしつけが該当する。 【地域家庭教育支援の意義】 地域や家庭の教育力の低下は、地域や家庭が今まで担ってきた意図的・無意図的な教育的形成作用の多くが母親の負担となる状況をもたらしている。核家族化や地域の希薄化、職住分離による父親の不在等により、母親が育児の悩みを相談する相手がいない孤立した育児に直面し、児童虐待や育児ノイローゼなどの大きな社会的問題につながっている。 母親の育児負担を軽減し、虐待等の育児に関わる問題を未然に防止するために、行政や地域が一体となって地域や家庭が従前に有していた教育力の代替機能を地域の中で新たにつくり、地域全体で親の家庭教育を支援する環境を整備することが求められている。 【近江八幡市の地域家庭教育支援】 地域全体で親の家庭教育を支援する環境を整備するため、近江八幡市教育委員会生涯学習課は、国・県の補助事業として平成14(2002)年度より「公民館等親子プレイステーション事業」を実施し、補助事業が終了した平成17(2005)年度以降も他の補助事業を活用して継続して実施している。同事業は、地域や家庭の教育力の向上のために重要な役割を担う家庭教育を支援するため、子育て中の親の身近な相談相手として「子育てサポーター」、「子育てサポーターリーダー」を委嘱するとともに、子育てサポーター等への助言や親のカウンセリング等を行う「家庭教育アドバイザー」を委嘱し、子どもと親の居場所づくりや様々な親子ふれあい活動を通じた子育て学習を公民館等で実施するなど、地域において子育て支援のネットワークを形成することを目的としており、次の4つの機能を有している。 1)親子の居場所作り(たまり場機能) 2)子育て体験交流事業(親子ふれあい活動)をとおした子育て学習(学習機能) 3)子育て情報交流・発信(情報発信機能) 4)子育て相談(相談機能) br> |
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参考文献 ・日本生涯教育学会編『生涯学習事典』東京書籍、平成2(1990)年、108-109頁(赤木恒雄「生涯学習と家庭教育」)、112-113頁(萩原元昭「両親教育」)、114-115頁(馬居政幸「学校と家庭の連携」)、116-118頁(菊池龍三郎「地域の教育力」) ・国生寿『地域社会教育と生涯学習』淡水社、平成11(1999)年 ・滋賀県教育委員会編『しが子どもの世紀3カ年プロジェクト推進事業総括』滋賀県教育委員会事務局生涯学習課、平成16(2004)年 |
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