生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2009(平成21)年8月31日
 
 

メディア活用の学習法 (めでぃあかつようのがくしゅうほう)

media-based learning methods
キーワード : メディア、自律的学習、自己制御学習、教材設計、学習者志向
吉田広毅(よしだひろき)
2.メディアの構成
 
 
 
 
   メディア利用学習の形態は、メディアまたは教材の構成によって異なる。例えば、学習者に特定の知識・技術を定まった順序で着実に習得させたい場合には、メディアの構成も直線的なものとなる。また、習得する知識・技術を学習者自身が決定し、自由な順序で学習することを目指す場合には、非直線的なメディアを用いるのが望ましい。
 メディアの構成は、何をどれだけの詳しさで扱うか、つまり学習内容(スコープ)と、それをどのような順序で並べるか、つまり学習内容の配列(シークエンス)により決定される。教材の構成は、学習内容とその配列の相違により、次の7つのタイプに大別することができる。
・リニア型
 学習する内容と順序が固定された教材
・リスト型
 予め決められた学習内容を好きな順序で学習できる教材
・ツリー型
 学習する内容が進度や状況によって分化し、学習する順序は固定された教材
・プリフィックス型
 学習者が大枠の中から学習内容を選択し、学習する順序は固定された教材
・マトリックス型
 2つの分類基準の組合せから好きな内容を選択して学習する教材
・ネット型
 好きな内容を選択して、好きな順序で学習する教材
・ランダム型
 学習者が学習内容の一覧の中から好きなものを選択して学習する教材
 特徴として、リニア型からランダム型にいくにしたがって教材の系統性は低くなり、学習者制御の度合いが高まる。
 リニア構造では、設計者の定めた目標に沿って内容を理解しながら進むことができる反面、学習者の意図が反映されず学習が受動的になりやすい。リニア型のメディアは、教師(作成者)制御で、指示的、直線的であるという特徴を持ち、ひとつの正答を求める収束的な学習に向くとされる。リニア型のメディアを代表するものとして、教科書、映画、放送番組などがあげられる。
 ネット構造やランダム構造では、興味に従って自由に情報を探索できる反面、どこに行って何をしたらよいのかわからなくなってしまう可能性がある。ネット型、ランダム型のメディアは、学習者制御で、非指示的、平面的であるという特徴を持ち、オープンエンドで発散的な学習に向くとされる。ネット型、ランダム型のメディアを代表するものとして、インターネット、ハイパーメディアなどがあげられる。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
 



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