生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2009(平成21)年8月31日
 
 

メディア活用の学習法 (めでぃあかつようのがくしゅうほう)

media-based learning methods
キーワード : メディア、自律的学習、自己制御学習、教材設計、学習者志向
吉田広毅(よしだひろき)
3.メディアの選択
  
 
 
 
  【メディアの選択】
 メディアはそれぞれに異なる特性を持っているため、学習内容や予想される学習成果に応じて使い分ける必要がある。例えば、電子ホワイトボードは静止画像を提示できるが、音声を提示できない。テレビ会議システムは同時双方向性という特性をもつが、電子掲示板などではリアルタイムの相互交渉を行うのは難しい。そこで、メディア利用学習でも、学習者の性質や学習課題によって、適切なメディアを選択し利用することが必要となる。
 学習者の性質について、メディア利用のような自律的な学習においては、特に学習者の動機を考慮する必要がある。課題達成場面における行動に対して、学習動機の果たす役割は大きい。ドウェックは、行動タイプの説明概念として、学習目標と遂行目標の2種類の達成目標を掲げた。
 学習目標とは、「挑戦を通じて新たな知識や技能の習得を目指す意図」である。学習目標にたつ者は、挑戦を求め、新たな技能や知識を獲得するための努力を厭わない。そこで、学習目標を志向する学習者に対しては、学習者制御の度合いの高い構成のメディアを処方することが望ましいといえる。
 一方、遂行目標とは、「肯定的な評価を受け、否定的な評価を避ける意図」である。遂行目標にたつ者は、挑戦を差し控えるような自己防衛的な方略を用いる傾向にある。また、失敗した場合には、努力が多いほど無能さを示すと考えるため、最小限の努力で効率的に課題達成を目指す。このような学習者に対しては、学習者の動機を保つためにチュートリアルやナビゲーションを用意したり、ある程度、道筋の定まったメディアを処方することが必要となる。
 また、学習課題に対応した適切なメディアについて、ガニエは以下のように説明している。
・知的技能、認知的方略の学習には、学習者の反応にフィードバックを与えられるメディアを用いるのが望ましい
・言語情報の学習には、言語メッセージや精緻化をともなうメディアを用いるのが望ましい
・態度の学習には、リアルな学習モデルと、それに関連するメッセージを提示できるメディアを用いるのが望ましい
・運動技能の学習には、参考になる情報とともに、技能の訓練の場を提供できるメディアを用いるのが望ましい
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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