生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日
 
 

青少年とキャンプ (せいしょうねんときゃんぷ)

キーワード : キャンプの形態、心身ともの開放、非日常の生活や体験、遊び感覚の学び、組織キャンプ
渡辺武和(わたなべたけかず)
1.「キャンプ」とは
  
 
 
 
  【定義】
 「キャンプ」とは「自然の中で一時的な生活および体験活動を行うこと」である。
【説明・動向】
 「キャンプ」という言葉はラテン語で「平地」「野原」を表わす言葉である。平らな土地に砦のようなものを築き、兵隊を配置し、そこで兵の訓練をおこなっていたことから、「共に生活しながら、兵を訓練する(ところ)」を表わす言葉として「キャンプ」を用い、さらに「仲間と共同生活をする」という意味を持つ言葉となった。現在では、旅行のための野営、軍隊の駐留地、捕虜収容所、登山基地、スポーツに代表されるトレーニング合宿などに「キャンプ」という言葉を用いる。
 この「キャンプ」という言葉が、「自然の中で一時的な生活および体験活動を行うこと」を指すようになったのは、1800年代ごろからではないだろうか。産業革命後の工業化と都市化が進むにつれて、一時的に都市生活から解放され、心身のリフレッシュとして余暇時間にキャンプをすることが広まっていった。その後、キャンプには日常生活では学ぶことのできない様々な効果があることに注目し、教育の手段としてキャンプを行うようになった。
 現在では、「キャンプ」という言葉も一般化し、余暇時間の増加と道路等の交通網の発達、キャンプ道具の発達などにより多くの人が、様々な方法でキャンプを楽しんでいる。
【キャンプの形態】
 キャンプの形態は現在多様化しているが、大きく2つの方向を見ることができる。
1)「野外教育としてのキャンプ」
 1996年(平成8年)文部省生涯学習局青少年教育課より「青少年の野外教育の充実について」という報告書の中で次のように捉えている。
 野外教育を「自然の中で組織的、計画的に、一定の教育目標を持って行われる自然体験活動の総称」とし、この「自然体験活動」のひとつとしてキャンプが位置付けられている。つまり、「自然の中で組織的、計画的に一定の教育目標を持って行われるキャンプ」と言えよう。
2)「個人の楽しみ、レクリエーションとしてのキャンプ」
 余暇時間の過し方としてキャンプを行う人が増加している。このようにして行われているキャンプは、前述の「野外教育としてのキャンプ」と異なり組織的、計画的に一定の教育目標を持っていない場合が多い。
 一般的には「キャンプ」と言うと、この「個人の楽しみ、レクリエーションとしてのキャンプ」を想像する人が多い。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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