登録/更新年月日:2015(平成27)年1月1日 |
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【教育的プログラム実践のねらい】 子どもの健全な成長・発達のために、放課後児童クラブにおいて指導員と地域人材の力を活かしながら、日常の遊びと生活に教育的視点を加味したプログラムを取り入れ、子どもたちの「生きる力」の基礎・土台をつくることを目指した。 特に、子どもたちの集団生活における態度変容と「生きる力」の基礎・土台と考える体力・耐性の向上に資する生活プログラムを開発・実施することに重点を置いた。体力は、身体的エネルギーの源であり、身体能力や持続力として現れ、健康や行動能力に関わってくる。耐性は、精神的エネルギーの源であり、がまんする力や気力、意欲として現れ、集中力や意志力に関わってくる。この体力と耐性は、人間の社会生活の基本部分を支えるものであり、基礎・土台がしっかりしていなければその上に積み上げることは難しいからである。 【実践の概要】 (1)実施体制:目的に賛同する放課後児童クラブ(山口市立井関小学校内学童保育)の指導員と保護者、小学校、地域ボランティアの協力を得て実施した。指導員は7名で常時2〜3名が交替で担当、保護者には事前説明会を開き、協力同意書(任意)を提出してもらった。 (2)プログラムの対象児童:1〜6年生 約50名(男女半々) (3)実施期間:調査研究としては、平成24年4月から平成25年3月までの1年間、学期中の平日放課後および土曜終日と長期休暇中の終日、毎日プログラムを実施し、児童の観察票、指導員および保護者への質問紙調査、指導員へのインタビュー調査等によってデータをとった。調査研究終了後も、指導員がプログラムを日常的に継続して実施している。 【教育的視点を入れた生活プログラムの概要】 子どもの健全な成長・発達に不可欠な体験を、以下のような日常の活動プログラムにして放課後児童クラブの生活の中で実施することによって、子どもたちの「生きる力」の基礎・土台をつくることを目指した。 (1)体力・運動能力:持久力・柔軟性・俊敏性・抵抗力などを少しずつ育てる。(例:ストレッチ、エアロビクス、マット運動、跳び箱、へび鬼などの鬼ごっこ、縄跳び) (2)耐性(がまんする力、やりぬく力):勉強に集中する力や持続する力を育てる。(例:自習ドリル、宿題、朗唱、カルタ遊び、漢字チャンピョンシップ、マット運動、跳び箱) (3)集団の規律を守る、強調・協力する態度(例:はじめの会・帰りの会、食事・おやつ、掃除、朗唱、カルタ遊び、へび鬼などの集団遊び) (4)自主・自律の態度(例:はじめの会・帰りの会、宿題、朗唱、準備・後片付け、掃除) 【指導原理】 (1)学校ではないので、生活と遊びの中でプログラムを実施する。 (2)「向上を目指す集団を育てる」ことによって個人を伸ばす。そのために競争や同調原理を活用する。 (3)1〜6年まで全員が試行錯誤でやってみる。できなければ励まし、できたらほめる。子ども同士で教え合うことを奨励する。 (4)集団の秩序をルールで守ることを徹底する。そのために、指導者への尊敬を促す。いじめ等の問題行動には厳しい懲戒で対処し、弱い者を守る。 (5)指導員は指導方針を統一し、役割を分担する。 br> |
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参考文献 ・大島まな「体力・耐性の向上を目指すプログラムと児童の変容に関する実践的調査研究―放課後児童クラブにおける取組の成果と課題」日本生涯教育学会 論集35、2014年 |
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