登録/更新年月日:2005(平成17)年9月14日 |
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【学習相談の内容】 学習相談で応じる相談内容は多岐にわたっている。学習プロセスのステップとの関連で、主な学習相談の内容をみてみよう。 ●学習テーマの設定のステップ 生活課題を見つけたりして、潜在的な学習ニーズを探り、適切な学習テーマについてのアドバイスを行う。(例)何か学習したいが何をしてよいかわからない、といった相談。 ●学習計画の作成のステップ 学習機会・講師等に関する案内情報の提供や学習計画づくりについてのアドバイスを行う。(例)英会話講座が開設されているところはどこか、といった相談。 ●学習活動の展開のステップ 学習の仕方、人間関係、団体運営の方法等についてのアドバイスを行う。(例)わからないところの調べ方を知りたい、といった相談。 ●自己評価のステップ 自己評価の方法、学習計画の修正の仕方等についてのアドバイスを行う。(例)学習目標に向かって学習が進んでいるのかわからない、といった相談。 ●学習成果の活用のステップ ボランティア活動の機会に関する案内情報の提供や学習成果の活用の仕方等のアドバイスを行う。(例)学習成果を生かして人に教えたいが、どこにその機会があるのかわからない、といった相談。 【学習相談の方法】 面談や電話による方法が一般的であるが、郵便やFAXを使う方法も行われている。今後は、インターネットやTV会議システム等の活用も増えるであろう。兵庫県の「ひょうごインターキャンパス」にはeメールで答える学習相談機能があるし、岡山県生涯学習センターはTV会議システムを活用している。 【学習相談の手順】 学習相談にはある程度決まった手順があるので、学習相談フローを作成しておいた方がよいであろう。ここでは、問題解決ステップ及びパーソンズによる非指示的なカウンセリング手法を応用したフローをあげておこう。 学習相談員の対応は、大別すると、1)学習情報(案内情報)を提供すればよい場合と2)学習上の問題の解決策を助言・援助する必要がある場合に分けられる。 学習者から簡単に用件を聞き、そのどちらかであるかを判断し、1)の場合は学習情報提供システムを検索して適切な案内情報を提供することになる。2)の場合のフローは、次の通りである。 ア.学習相談員は学習相談カードにメモをとりながら、学習者の話を聞き、問題の所在を探る。イ.問題解決策を見つけるために現状分析を行う。その過程では、学習者の話を聞き入れ、受容するように心がける。ウ.学習者が自己を客観的に認識できるようになった段階で、学習者の考えを積極的に支持して、学習者が自分で判断できるように支援する。エ.学習者に問題が解決された状態を考えてもらう。オ.必要な案内情報を提供したり、学習技法等を紹介したりする。カ.解決策はいろいろあろうが、どの解決策をとるかは学習者の判断に委ねる。キ.学習者が解決策を選択したら、実行に移すように励ます。ク.学習相談はここで終了するが、学習相談カードに記入漏れがないかを確認して、学習相談カードを一定の分類基準で保存する。 【実践事例】 学習相談事業の事例としては、横浜市、千葉市、相模原市などがあげられる。学習グループ「生涯学習研究会なごや」は、名古屋市立生涯学習推進センターを拠点に自主活動として学習相談を行っていることで有名である。 br> |
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参考文献 ・浅井経子編著『生涯学習概論』理想社、平成13(2001)年。 ・山本恒夫編著『生涯学習概論』東京書籍、平成10(1998)年 ・国立教育政策研究所社会教育実践研究センター『社会教育主事のための社会教育計画』平成17(2005)年 ・横浜市教育委員会『学習相談HAND BOOK(改訂版)』平成11(1999)年 ・「ひょうごインターキャンパス」:http://www.hyogo-interecampus.ne.jp 平成17(2005)年5月8日参照 |
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